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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十五話
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んでもない能力がある」

 俺は自身の戦闘について思い出していた。
 まずは、卍城王也戦。
 彼の必殺技を受けながらも俺は死んではいなかった。
 気力によるものかと自己分析をしていたが、確かにあの胸から腹にかけた攻撃は並み大抵のものなら死んでいる。

 そして、盾田剣士戦。
 終盤にあたる、大量出血、そして肩から、肺、心臓、肉が切り離された感覚……

 そして驚いたのがこの両腕が治っていたこと。

「フッ、俺は化け物だわ……」

 右手で覆い隠すように、下を向いた顔につける。
 思い返すだけで乾いた笑いが湧き出てきた。
 なんだよこれ…… ただの化け物じゃねえか俺は……

「待ってくださいよ、じゃあなんで僕はヤングサンクションズではなく、この日本国の機関にいるんですか?」

 S’ESPとして生まれた者は、国連直属の『Young Sanctions』(ヤングサンクションズ、通称Y.S)に入られる。そして、世界の均衡、平和、民族間紛争による武力介入、能力者の犯罪防止をすべく、膨大な訓練を受け、大抵はスペシャルソルジャーとしての人生を送る。

 ここでESPの説明をしていただく。
 超能力のたぐいを自由自在に操れる者を能力者(ESP)と呼んでいる。
 ESPは3つの能力からなっており、その3つを三大能力としている。
 一つ目は、人知では理解できない強力な体力〈超筋力〉、卍城が所持している能力である。
 二つ目は、目の前などに強力なフィールドを展開する力、ちなみにこの壁は万物の力を全て無に返すほどの強度を誇っている〈超拒絶力〉、盾田剣士が所持している能力だ。
 三つ目は、物体をある程度の強度まで強化する力〈超念物強化力〉の3大能力からなっている。

 ここESP学園は、機関独自の判断によりS’ESPではなく、ESPだけによる兵隊養成施設を作った。
 なぜESPだけを集めたのかは、機関の人間である、梅階級の者にしかわからない。
 機関の階級は上から梅、竹、松、となっていて、竹の割合が比較的多い。

「それは、私にもわからなくてな……」

 言い終わると彼女は吸い終わった煙草を、靴の裏で消す。
 そして自身のポケットへと入れる。

「そうですか。ではなぜ今になってこの右腕が?」

 俺は周りの人間よりも”劣っている”、と思っていた。
 だけど違う。俺は周りとは”違って”いる。
 ショック? いや俺はゾクゾクしているんだ。
 この高揚感、わかる。バケモノゆえに、この現実に俺の心は踊っている。
 自分がバケモノという”真実”に――

「すまない。今の私には、わからないことが多い。だが、タスクお前に何か壮大なバックボーンがあると睨んでいる。とんでもない計画があるとな」

 そして
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