第十五話
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誌か何かで見たことを思い出した。
ヴァンパァル・F・ロード、漆黒のプロレス仮面を身にまとい、自らを”仮面の囮≪ヒイロー≫”と名乗っていると書いてあった。
ちなみに、囮という文字の中には、ヒーローがあるという文字遊びをしていることに妙に感動したことを覚えている。
情報によれば、身長は170センチという小柄の能力者である。
しかし、肉体は屈強の戦士のような剛腕、豪脚、鉄板のような胸板、現代に生きる鉄人といえるような人物だ。
二つ名は、囮の吸血仮面となっている。
目つき、体格から、日本人ではないかという噂が飛び交っている。
「死を超越した者と言った方が早いだろう……。 あの能力者はどの能力者よりもぶっ飛んでいた。話を少しづらすが、戦場では勝者が生き残る。これはわかるな」
「はい、勝ったものが生き残るのは当たり前ですね」
「しかし、死なない人間がいるとすると…… 戦場はどうなると思う?」
いくら死なないからと言っても、動くことができないような負傷を負わせれば、無力化することができると思うが……
しかし、不死身は厄介だろうな。
「状況にもよりますが、不死者がいる陣営の方が有利かと思います」
「まあ正解と言ったところだ」
そう言い彼女はまた、煙草を銜え肺いっぱいに煙を溜め込む。
「戦場で私と戦い、この私に死線を見せたたった一人の男だったよ。奴は、どの体の部位を破壊しても死なない化け物だった。後に分かったことだが、S’ESP能力者SSS級のランク所持者だった」
S’ESPの能力は超能力というよりは、異能という表現を使った方が端的で早い。
あるものは火を使い、あるものは無から水を創造し、あるものは土を操り、あるものは…… とその数は膨大でありながらも、能力と能力が枝分かれしているようでもある。
ESPとS’ESPの決定的な違いがある。それは”代償”というものだ。
ESPは代償を支払わずとも能力を行使することができる、しかしS’ESPは”代償”という対価を支払い能力を発動することができるのだ。
「本題に戻すか……。 その男の能力がお前の中にもあるのではないかと、私の元に見知らぬ者から一通の手紙が届いた。それが、お前と修行を開始した1週間前の話だ」
俺を見ていた彼女は、視線を少しずらす。
「なるほど……」
能力が無い能力者…… そんなアイデンティティーに、少しばかり酔っていた自分がいた。
そんな自分に――能力があったなんて。
昔では考えれなかった。
「最初はお前にそんな能力が宿っているなんて思わなくてな…… しかし盾田剣士との戦闘ではっきりとわかった。お前は大量出血で倒れる事があっても、死ぬことはない。そして、その両腕の治癒力。お前にはと
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