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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十五話
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待てよ…… 理解が追い付かない。
 思考が、考えが、感情が、精神が、神経が、感覚が、全てが混乱していた。

「な、なんで…… 何がどうなって」

 右手の能力印を見る。
 それも、昔と変わらずにその印はあった。

「驚いたか? まあ無理もない……」

 体中を隈なく触っていた俺に、剣先生は語り掛ける。
 そして、ポケットから煙草を取り出す仕草をする。

「これは一体…… ど、どういうことなんですか!?」

「そう騒ぐな、時間を考えろ」

 そう彼女は何かを知っているかのように、俺を見た。
 そして、ジッポを取り出し、慣れた手つきでタバコの先端に火を付ける。

 カチっと音を鳴らし、静まり返った病棟。
 剣先生は、タバコを大きく吸う。
 ジリジリと、タバコの勢いよく焼けた音が、こちらまで聞こえてくる。
 そして、ため息を吐くように肺の煙を出した。

「その体は、お前の能力を体現している」

 能力? この人は何を言っているんだろうか……?
 彼女の言葉に疑問を抱きつつ、混乱している思考を鎮める。

「つまりはお前の中では超治癒力、不死力。この二つの能力が混合してるということだ。その能力のおかげであの戦闘を生き延び、両腕が切り離されようとも、その両腕は十分足らずでお前の腕は治った」

 彼女の言葉を理解半分で聞き入れ、俺は今まで失っていた右手を眺める。
 その能力印≪ESP・tattoo≫は、昔と相変わらずに力の象徴を放っている。
 俺の象徴、他の能力者にはない、俺オリジナルの形を有して。
 しかし、見慣れていたはずの能力印は、妙な光を放っていた。
 まてよ。このように光ってはいなかったはずだ。
 今の俺は疲れていて、そんなふうに見えているだけなのか……?
 そうかもしれないな。俺はそう思うことにした。
 彼女の話が耳には入っていない。

「俺の右手…… とうに消えたものだと思っていたのに、あったんですね」

 卍城との戦いの後で、無くなっていたものだと思っていた。
 義手の強力なパワーもいいが、こうしてみると生身の腕もいいと思った。

 そんな呑気なことを考えるくらいには、今の俺は疲れていた。

「不死の能力、ヴァンパァル・F・ロード……」

 一言発すると、彼女は沈黙に入った。
 病棟は人の気配が感じれないほどに、静まり返っていた。

「…… 私が現役の頃に、一度遭遇したことのある不死身の能力者だ」

 突然と剣の口から吐き出された一言。
 重くのしかかったような言葉、どれほどまでにそこ過去を背負ってきたのか。
 その重圧が分かった一言であった。

 彼女の手にあるタバコの灰が下に傾いてきた。

 そして俺は、その能力者の情報を、とある雑
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