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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十四話
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に当てた。
 その回転力で、奴の胸を踏み台にして体全体を逆上がりの要領で振り上げる。
 奴の手は、俺の髪の毛から離れた。そして後ろに回るようにきれいに着地。
 着地点は奴とは、約5メートルほど離れている。
 すぐさま義手のフルパワーで地面を殴り、地上から奴めがけ飛び上がった。
 地上高く飛んだ、天を泳ぐ鷹のように。

「その精神力、お前を倒すのが惜しいぞッ!! 無能力者よぉ!!」

 奴は見えない刃を両手持ちして、上半身を縦に振りかぶった。

 ――我が骨を切らせて、敵の頭を断つッ!!

 奴の攻撃を左肩から近い体にかけ、受ける。
 序に僧帽筋を切られ、破に鎖骨の断裂音が魚の首を切り落とすように聞こえる。
 棘上筋、棘下筋、広背筋に続き、急は鎖骨の中央辺りを切り捨てされた。
 軽く左肩を前に出していたおかげか、空中に分断された血肉、内臓、心臓が勢いよく吹き出る。
 そしてまだらの絨毯のように、俺を覆い隠すように広がっていく。
 迷わずにに懐から銃を取り出し、彼の方へと急降下。

「これで終わりだあああああああああああああ」

 奴の額に取り出した銃口を、刺すように突き付け、そして放った。
 心なしか、いつもよりトリガーは、軽く感じる。
 俺は自らの血の弾かれたエリアに綺麗に着地。
 捨て身のゼロ距離の射撃、奴の脳が振動を震わせた。
 巨体な体は神経のエラーバグのように、体中を痙攣をする。
 そして機能の停止したロボットのように、奴は気絶。
 その姿を確認した俺は――天へと右手を掲げる。
 血は出尽くしたのだろう。俺の体から噴水のように湧き出ていた血は、涙を流しているように流れている。
 同時に視界が、深淵なる黒の境界へと霞んでいった。

「やったぜ――俺は。マイ、剣先生、ユウッ……」

(ああ…… これ死んだな……)













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