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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十三話
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行くぜおっさん!! 俺の攻撃ダンスについてこられるか!!」

 俺は姿勢を前のめりになりながら、獲物に見立てた彼を噛み殺しに行くように地を蹴った。
 体の時間に対する意識を極限まで起動させ、体感時間が5分の1の境界線を越える。
 思考の半分を彼の攻撃の読みに、さらに半分はこちらの攻撃を読んで展開するだろうバリアの予測に使う。
 相手の攻撃による反応は脊髄に全てを任せ、感覚で体を動かす。
 この体の使い方は剣先生の教えによって使うことができた。
 これは一種の悟り状態まで精神を変化させ、感情による無駄な思考を一切減らし、いかに効率よく相手の攻撃を避け、どれだけ早く攻撃を繰り出せるかということだ。

 それらを『覚醒せし感覚《Awake Sinn》』と名付けている。

 俺は蹴った脚を再び、ジャンプをするように蹴り上げる。壁を叩き割るかのような勢いを、体全体に感じながら全力で進んでいく。
 走りながら愛銃のSIG SAUER P228 XXダブルクロス 改を懐から取り出す。
 周りの景色は奴をとらえると、書き終えた油絵を指でなぞるように、滲んでいた。
 あのでかいでかい壁を突き破り――俺は勝利をもぎ取る。見ていてくれ。舞、夕、剣先生。

「正面からとは血迷ったか無能力者よ!!」

 彼はまたもや何もついてはいない腰から何かを抜き取るように構える。
 それを読んでいた俺は銃をバリア状の太刀を持っているだろう手へと放つ。

 奴はどうあがいても間に合わない弾に、バリアを使ったらしい。
 彼の切りかかった腕が途中で止まっていた。
 そしてバリアによって防がれた弾が地へと虚しく落ちた。
 3秒も満たないギリギリの時間で、奴のミッドレンジまで行けた俺は、落ちた弾と同時に、奴の今にも切りかかりそうな右腕を、左の手のひらでこれ以上は切らせないようにと止める。
 そして止めた勢いで義手の腕を大きく振りかぶり、フルパワーで奴の顔面へと叩き込んだ。
 奴はスッと寸分で避けていた。
 それは大きい図体とは思えないほどの軽い身のこなしである。
 奴は浅くしゃがむと、義手のひじ関節に上に突き飛ばすように張り手。

 それは俺の使ったパワーを受け流すように使っていて、寸分も狂わないロボットのように無駄がない。
 張り飛ばされた義手は、金属とは思えないほど上へと振り上がり、その反動で俺の体がつられるように宙へと舞う。
 当時に飛びかけそうな意識を自我へと引き吊り落とし、すぐさま、カウンターとも言えるような右足で鋭いキックを彼の顔面へと決めた。
 しかし彼は岩盤のような左腕で受け身によるガード。
 攻撃はうまく受けを決められた。

 次の左頭部の攻撃へと移すべく、体感と体全体を安定させ奴を眼中で捉える。
 しかし、右手が
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