第十話
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ーに腰掛けた。
如何にもおじいさんと呼べるようなぽっちゃりとした体格にソファーが沈む。
「お兄さんの噂は聞いてるわ。お兄さんは、あの卍城王也を倒したんだろう」
リットナー博士は髭のもじゃもじゃを触りながら喋る。
「ああ、まあ」
「それよりも本題に入るぞ」
話を中断するように彼女は言った。
「ほいほい…… 要するにお前は武器が欲しいっちゅうことなんだな」
俺の切れた腕を見るとリットナー博士は目的を当てた。
「はい、この腕の代わりになるような物を」
そう言い俺はなくなった腕を見つめた。
昔の面影が全くと言っていいほど残ってはおらず肉が切断されている骨を覆うように発達している。
「腕とな…… 義手なら残り物があるぞい。ちょいっと弄ったら使えそうやな」
博士はそう言うと、ポケットの中からメジャーを取り出した。
「ほれほれほれと。こっちもな、ほれほれと」
手慣れたように博士は、俺の切られた腕のサイズ、太さを図るとメモに取った。
「ちょっと待っておれよ」
付箋メモがたくさん貼られたドアを開け、何かを取りに行った。
「あれでも凄い腕が立つ人だ。心配する必要はないぞ」
博士がいなくなっていつの間にか彼女は、部屋の氷像を見ながら話しかける。
「もしかしてここの学園生が持っているオリジナル武器は、彼が作っているんですか?」
まさかとは思うので冗談半分に彼女に聞く。
「そうだが…… 今は一人で全てをやっているらしい」
トントンとタバコを詰め彼女はジッポでタバコの先端に日をつける。
あれだけの人数の武器を作っているなんて本当に凄いと思った。
型は同じようなものが多いが、一人ひとりの大きさなどを考えると、とんでもない作業量である。
どんな頭の構造をしているんだろうか……
化物のような人で少し引いてしまった。
「ほれ終ったぞい」
俺はしばらくテレビのバラエティー番組を見て時間を潰していた。
あまりにもつまらなすぎて眠気が襲ってきていたが、彼のドアを開ける大きな音に目が覚めてしまった。
彼の腕には、鉄製の義手がある。
まるでアニメに出てきうな卓越されたデザインに、腕装甲の間からは内部の部品が見える。
元の生身だった腕よりも一回りも大きい義手に高揚感が溢れ出る。
まさに男のロマンの塊であった。
「5年前にある少女に作ったパワードアームだぞい。それを戦闘用へと改良させたんじゃんが特に需要は無かったんじゃ。まあお前が欲しいということで久しぶりに弄っちゃたんじゃが上手く言ってる。やはりワシは天才じゃ」
ガハハと如何にも昔の鍛冶屋のような笑い方だ。
「早速付けても
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