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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第九話
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インケースの穴のように狭まった視界で、俺の体を見る。
 芋虫のようにロープが体中全体を覆っていた。何だこれ、足まで覆う必要ないでしょ!!

「んんうんうんんんん! んんんんぬ、んんんんんんんん!」

 つつかれた芋虫のように、全身をくねらせながら、彼女たちにここから出してくれと訴えるように動く。

「タスク! もう少しでこの戦いは終わるから! そしたらすぐに抜け出してあげるからね!」

「このレ○プ魔先輩! 舞の誘惑にのほほんと乗っちゃっいましたね! そのままでいなさい性獣レ○プ魔先輩」

 というと、双方はまたテレビに釘付けになった。

「いぃけえええええええええええええええええええええええええ!!!」

「どりゃあああああああああああああああああああああああああ!!!」

 どうやら彼女らは最後の大勝負に出たらしい。
 そのすさまじい咆哮に、俺の家が反響して大きく揺れた。
 勝敗は決したようだった。

「よしッ! 222戦112勝で私の勝ち!」

 舞が大きくガッツポーズした。
 どれだけの死闘だったのかは、彼女らの乱れている髪で分かった。


 昼頃、縛られていた俺は舞に助けられ、その後、彼女を助けた海岸を二人で歩いていた。
 住んでいるところに海岸が近くにあると、わざわざ海岸で遊ぶような物好きはあまりいない。

「舞、あの…… 今朝はごめんな」

 据え膳食わぬは男の恥とは言うが、アレはさすがに欲望に直球すぎると自分で思った。

「いいよ全然気にしてないから。ああいうのはもう少し二人の仲が良くなってからね!」

 魔法をかけるように彼女は、左手の人差し指を顔の近くで構える。
 お気に入りの生徒を叱っている先生のようだ。

「わかったよ。そういえば二人はなんでゲーム対戦をしてたんだ?」

「夕さんが佑を縛るなんて言うから、私が助けようと思ったの。口論になっちゃってゲームで決めようって。結局縛られちゃったけど」

 喧嘩っ早い夕だが、さすがに一般人相手にはしっかりと対等にするんだなと、安心というか心が和んだ。

「なるほど…… でも結局は助かったんだし、ありがとな」

「はいどういたしまして。私はね――この生涯戦わずして、ずっと他者から欲しいものを強請って生きてきたの」

 そういい彼女は前の方を歩く。そして続ける。

「夕さんから聞きました。佑のその腕は勝ちを取るために失ったんだっけ。それを聞いてさ、たすく達にとって戦うとは普通のことなんだろうなって思うんだけど、私にとっては、とってもカッコイイことだと思ったんだ。そんなあなた、そしてユウさんに感化されて、今までの強請っていた自分よりも、あなた達のような人に少しでもなれたらなって」

 勝ててよかっ
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