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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第八話
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ちゃのように振っていた動作を突然にやめると、安心したかのようにその手を襟元から放した。

「とにかくだ。彼女は来望財閥のお嬢様なんだろう。拉致をされた件、さらに手を出したのかとなると大変なことになってしまう。それはわかってはいるな監禁魔」

 来望財閥…… それは日本の財団トップであり、日本の全ての権力に通じる力を持っているというグループだ。ここESP教育機関もその財閥の手が広がっている。
 まさに日本の裏支配者という言葉が一番似合っているグループである。
 そんな財団に歯向かった者たちは奇妙な最後を迎えているらしい。
 それよりも監禁魔という不名誉なあだ名を付けられたことに少しばかり腹が立った。

「来望舞さんは一緒に来ているな?」

「はい、どうして一緒に来ていると分かったんですか?」

 できるだけ注意を払いながら、彼女らと来たつもりだったんだが。

「馬鹿か今時は監視カメラで分かるだろう。私にも舞さんに合わせて欲しい」

「分かりました…… 呼んできます」


「え、えっと…… 私が来望舞です」

 そう彼女は警戒をしながらも剣先生に言うと、俺の後ろに隠れた。
 どうやらこの先生は苦手なんだと…… その気持ち、俺にもわかる。

「私の前でくっつくな、ベタベタするな」

 凄まじい光線のような眼光が俺を襲う。怖いよあなた怖い。
 ということで本題に入った。

「念のために聞いておきます。あなたが来望舞さんでよろしいですか?」

 剣先生は考えるように左手で支えながら、右手で顎を触ると、丁寧な口調で彼女の名前を聞いてきた。

「はいそうです」

「東京特区住みであるあなたが何故ここに?」

「え、えっと…… 一昨日、誰か素性のわからないものに、私の家から連れ去られ、気づけば飛行船で監禁されていました。そして、突然とその飛行船のハッチが開いたんでしょうか? よくわからないですけど、荷物と一緒にこの島付近まで落ちてきたんです。そして荷物をイカダにして上陸しようとしたんですけど、溺れてしまって。海で漂ってるところを、佑さんに助けられたということです」

 話すことに慣れたのか、話す言葉には上品さが垣間見え、彼女が本当にお嬢様だということに気付かされる。

「素性がわからないものですか…… 連れ去られた当時の状況を詳しく教えてくれませんか?」

「はい、ある日パソコンを見ていたんです。いつものように時間が過ぎ、何も変わらない一日だろうと思っていました。そんな日に、突然と物凄い爆発音とともに、私の目の前に一人の青年が立っていました。歳は20代前半でしょうか。顔はサングラスがかけられており、大まかな顔しか私にはわかりません。多分その男に連れ去られたんだと思います。それから、彼らの
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