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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第七話
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 と考えつつも、彼女にそばにいて欲しいと思った。
 それは、俺がどうしようもなく、彼女に一目ぼれをしてしまったからだ。

「朝ごはん作ったんだ、食べようか」

 彼女の機嫌を聞くように誘った。恐らくだが昨日から彼女は何も食べていないはずだ。

「今は食べたくない……。 ……ごめんなさい」

 彼女は、うつろな目をして呟くようにそう言った。
 今の彼女に、俺はどうすることもできない。しかし今の彼女には食べ物が必要だ。

「今日の朝は豆腐だからさ。一口だけでいいんだ。食べよ」

 ここは彼女のことを思って、無理にでも食べさせた方がいいのかもしれない。
 今日は水曜日の朝。毎週、決まって豆腐を食べている習慣がある。

「わ、わかった豆腐食べる」

 どもりながら彼女は承諾し両手を前にしている。

「起き上がれないの、ひっぱって」

「いいよいいよ、持ってくるから、ここで寝てて」

 無理に動かなくてもいいのにな、とか思ってしまう。反射的に右腕を出してしまった。

「み、右腕…… も、もしかして私を助けた時に?」

 恐るおそる聞く彼女、顔が青ざめていた。
 それは俺の右腕は先が無く。
 血の滲んだ真っ赤な包帯が、グルグルと巻かれているからだ。
 彼女を助けたことと関連づけて、考えてしまったのかもしれない。

「あ、これか…… これは昨日の決闘でさ。まあ鎮痛剤が効いてるから、今は大丈夫だよ」

 しぶしぶ頭を掻きながら彼女に言う。
 彼女には包帯で巻かれているため、傷の様子は見えてはいないが、切られた腕先は皮膚で塞がっていて、完全というほどでもないが昨日の治療で治っていたのだ。

「病院いかないと…… どう見ても大丈夫じゃないよ」

 こちらを心配するように彼女は言う。
 そういえば昨日、あのまま病院を抜け出してきたんだっけ……
 さすがに戻らないとな。ついでに無くなった右腕についても聞いておかないといけない。

「心配してくれてありがとう、本当に俺は大丈夫だから」

 いつもユウにする癖で頭をポンポンと撫でてあげた。

「いや…… その、うん……」

 彼女は下を向くと、目を合わせずにいた。

「そういえば君の名前聞いてなかったね。俺の名前は佐部佑」

「私は来望舞…… ここはどこか、教えてほしい」

 ボソボソと身を縮めるように喋る彼女。くるりと俺の部屋を一望すると、彼女は聞いてきた。

「ここは、俺の家だよ。そこそこきれいでしょ?」

 自慢をするように手を広げながら俺の部屋を紹介をする。
 俺の住処はコンテナでできた6畳ほどの大きさである。
 ドアを開けて、すぐ左には台所があり、正面には16インチの10年前のブラウン管テレビに、そこそ
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