第六話
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ら、カプセルを勢いよく開け、力任せに俺を思いっきり抱きしめた。
クッ、苦しい。む、胸が!! 彼女の胸が俺の口と鼻の穴を塞き止めるようにボヨンボヨンと押し付けられ、俺の息ができなくなっていた。
が、ガチで俺死んじゃう。
「先生、佑兄さんだけに特別扱いだなんて、教師としてそれはダメでしょ!」
夕が負けじと俺の足を引っ張る。これ何の拷問。
ちぎれる! 俺氏、ちぎれちゃう! 縫いだ傷口が更に酷くなっっちゃうよ。
「うるせえ!!!!!しばき倒すぞクソガキ共!!!!!!!」
保健室の先生が阿修羅のような顔で俺たちを脅したてた。俺は何一つ悪くないです!
他にも負傷者はいるので、おふざけモードはこれにて終わった。
咳ばらいをしながら剣先生は暖かな目で俺を見る。
「う、おっほん! とにかくだ。初勝利おめでとう佑。晴れて君はDランクだ」
「佑兄さんおめでとう」
「え、お、俺がDランク!!! どういうことなんですか! 飛び級じゃないですか!!」
驚きすぎて、負傷した腕が痛い。普通は一つずつ上がるものだろう。どういうことなんだ。
「Aランク相手にあの健闘だ。妥当な判断だと私は思うが?」
確かに、この学園で最強ほどではなくても、あの卍城王也に勝ったんだ。
3か月前からすると、夢のようで夢じゃないということが少し笑ってしまった。
「そ、そういえば次の試合は!?」
こんなことをしている場合じゃない。次の試合の準備をしなければ……
「何言ってるんですか佑兄さん!? 次の試合は1週間後ですよ」
「だがその体じゃ何もできはしないぞ」
そうだ、左手は辛うじて動くが、右手は肘から下が完全に無くなっている。
こんなのじゃまともに戦うこともできない。
こんな俺を見られたくはなかったから、顔を手で覆うように下を向いた。
「まあ、まずは私の話を聞け。君は能力者の証拠である、”能力印”が無い。これはつまり”普通の人間”として生きていくことができるってことなんだ。能力者にとって、”右手が無い”ってことは即ち、”引退”を意味する。君は能力者という肩書を続けるか? それともこのまま能力者という肩書を背負いながら、無能力者として生きていくか?」
彼女はこちらを心配するかのような口調で聞いてきた。
「何を言ってるんですか? せっかく剣先生に修行までついてもらって、ここまで強くなることができたのに、ここで終わるわけには」
彼女にそう告げる。
「実は、今の能力者ではないお前に、日本国の自衛隊から推薦が来ている。どうだ、もう”能力者”として固執する必要もない。新たな新天地で頑張ってみたらどうだ?」
彼女はトントンとタバコを手のひらで叩き、俺に推し進め
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