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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第六話
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力者の犯罪、ネットに上がった超能力者同士の戦闘映像などで完全に認知されるようになる。
 最近では、反社会テロ組織が能力者を使い、悪事を働いているという噂まで聞いたことがある。

 もし能力者から拉致されて、ここが知らないところならば、早く逃げなければと舞は思った。
 こんな所では彼女は死ねない。それは彼女の大好きなアニメの最終話をまだ確認していないからだ。
 ここに出るため彼女は思考を張り巡らした。まずは顔のローブと手を解かなければ何も始められないと考えた。

 彼女は周りの物体を確かめるため体を動かす。
 顔の横あたりにフックのようなものが、ほっぺたの感触でわかった。
 顔のローブを引っかき、上手くずれるように動かす。弱く締めていたのか簡単に取れた。

 周りを確認した。段ボールが彼女の周りに頻りにあった。今の状態ではここからは動けない。
 せめて手だけでもと、後背にある手を必死に動かし、先ほどのフックに引っかけて引っ張る。
 少しずつだが、ビリビリと音を立てている。時間をかければ取れそうだ。
 彼女は自分の行動力に感動していた。
 人間このような極限状態では動けないと思うが、ここまでできる自分を見直していたのだ。

「ん? 何か物音がしたぞ。少しアレを確認してくる」

 前方のドアから先ほどの男性の声が聞こえた。
 ダメだこの状況じゃ何をされるか分からない。
 そう考えついた彼女は、ローブを戻すかと考えた。いやこれじゃ間に合わない。
 彼女はこの状況に絶望した。


 その時だった。


 勢いよくドアの反対側が蝦蟇口財布のように大きく開いた。
 床が後ろに傾き、物凄い風と共に、段ボールの群れが白い空間にどんどん吸い込まれていく。
 開いたと同時に、舞の重心も白い空間に傾く、先ほどの手のヒモが破れた。


 舞は段ボールの群れと一緒に青い海へと落ちていった。




 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇






 医療用のカプセルの中で俺は起きた。
 両方の手から激痛が走る。左手は戻っていたが右手は完全に無くなっていた。
 何十もの包帯に、凄い点滴の数。
 ランク戦がそれほど凄まじいものだったと、今になって分かった。

「佑兄さあーーーーーん」

 左の方に夕が見えた。勢いよくカプセルを叩く、あまりの力の強さで器具が全て揺れている。
 カプセルの中は完全密封状態で、音がかなりうるさいものになっていた、

「ちょっ うるせえんじゃボケ!」

「よがっだああああ生ぎでだああああああああああああ」

 うわあ、ぶっさwコミュ抜けるわw 夕の泣き顔が最高にブサイクだった。

「佑! 生きていたか、そのまま死んでもいいんだぞ」

 剣先生はそう言いなが
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