第五話
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ーーー』という言葉に聞こえてな。とにかくそれのおかげで私は頑張れたんだよ」
「あそこが死線だったんだろうな。その言葉を胸に全ての敵を倒した。今では伝説となっているが、ただ運が良かっただけだ」
先生の遠くを見つめるようなそんな瞳だ。
彼女の腕にある大きな傷跡で、痛覚によって幻想を取り払ったんだなと分かった。
そこで彼女が何をしてきたのかなんて、俺には分からない。
だけどこれだけは言いたかった。
「先生…… トイレってどこにありますか?」
「人がこんな話をしているに! このバカ者! このこのこの」
その後めちゃくちゃボコボコにされた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「僕の必殺技を食らった大抵の人間は死んでいった。だから使うということはあまりしたくは無かったんだ。君のような本来勝てるべき人間に使ってしまったのは、僕の慢心のせいだろう。まあ無能力者の君となら、どうあがいても僕が勝っていたけどね」
猛然とした意識の中、俺はこう思っていた。
ああ、ごもっともだ。俺には”能力さいのう”がない。
でもこんなに届かなかったのかよ……
それでもあきらめない人が俺を見ていた。
「佑!!!!!!!! 根性ださんかぁああああああああああああ!!!!!!!」
聞き慣れた声が会場に唯一繋げられるマイクで絶叫していた。
そんなことをするのは彼女しかいない。
そう剣先生だ。
彼女の声に反応した、消え掛かりそうな精神界にある俺の魂が、朽ちた体を損傷構いなしに、起動パルスを叩き起こす。
反応するように体中の細胞が目覚めていく。
内からひっきりなしに湧き出るような力を使い、平然と這い上がった。
「そうだッ…… 最後の一滴まで…… 俺はッ」
そうだ俺は剣先生に戦いだけを教えてもらったんじゃない。
諦めない気持ちまでもを教えてもらったんだ。ここで朽ちるわけにはいかない。
自然と腕の傷と、胸を切り裂かれた大きな穴の激痛が全くというほど無くなっていた。
そして、落ちていたナイフを素早く口で掴む。
全速力で万丈王也の方へと走った。
「もうやめろ、出血多量で君が死ぬぞ。審判! 早くやめさせろ!」
彼は激情に任せ審判に抗議した。しかし審判は剣先生の手により気絶させられていた。
「チッ、あのクソアマ教師!! しっかし君は、ハハッ――なんてやつだ」
舌打ちをして、彼はあの大きな鎌を構えた。
その顔は何か覚悟を決めたような、形相たる顔だ。
「化物めッ!!」
来る。鎌を彼の右側に大きく振りかぶる。その振りかぶった角度だけでも、全てを一刀両断するほどだ。
冷静に彼の攻撃を思い出す。ある程度近づくと彼は消え、俺の真右限定に現れるんだったは
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