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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第四話
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きだ。まさに人が目標にするには丁度いい人間だろう。
 そんな俺よりも戦闘力も人間的にも、勝っている相手にどう勝つか――簡単だ。
 ”今”のありったけをぶつける。ただそれだけの話だ。

「ガタガタうるせえんだよクソナルシスト」

 俺はそう叫ぶとヤツの方へと全力で蹴り出した。
 こいつにとっておきのをぶつけてやるぜ。空になったマガジンを捨てる。
 走りながら、両手の人差し指で2丁を銃を円状に回すと、右手の小指と薬指で、太もものマガジンベルトにあるマガジンを、右足を上げる動作と一緒に、小指と薬指で目の前に浮きあげるように前の方へと投げる。
 ワンテンポ遅れながらも左も同じように、マガジンを空中へと放つ。叩きつける動作の遠心力と、後方に突き上げるような腕のフリでマガジンを綺麗にはめ、2丁の拳銃のリロードを完了させた。そして腕をクロスさせるように構える。
 ジャンプをしながら、獲物に飛びつくように飛びかかった。左手の引き金を引く。

「遅いッ!!」

 当たったと思いきや、彼は読み通りに瞬間移動で俺の右へと移動している。
 チャンスだ、すぐさま前に倒れるように回避行動をとり、空中で右足の靴底を彼に向けた。
 靴底には時速200キロの威力がある投刀ナイフが仕込まれている。
 左肩にあるスイッチを、機械人形のように素早く押し、首から骨の音が聞こえたが、構いなしに前に転がりなから前方へと撤退。
 凄まじい速さのナイフは一直線に彼の肩へと突き刺さった。
 一撃必殺の隠し技が、狙っていた首とは違い、肩に当たってしまったため、少しばかり癪に障った。

 肩へと深く深く突き刺さるそのナイフに、彼は耐えきれずに地面に膝を付けた。

「すごい威力だろ、チッ肩に当たったのかよ」

 距離をとった俺は、そんな舌打ちを投げかけ、怒涛の銃撃を容赦無しに彼へと目掛け放つ。
 彼は痛みに悶え、その肩を構いながらも、全ての銃弾を防ぐため障害物に身を隠した。
 放った1発が彼の左膝の上に当たったらしく、左足を引きずっていた。

 彼が右に出るとは、彼の行動から予測できた。なぜなら彼は俺を中心とした、右回り90度に瞬間移動ができることと、彼はある程度近づかない限り、瞬間移動は使えないと、彼の傾向からわかったからだ。
 いろいろと小細工の準備をしておいてよかった。
 それを読んで今まで隠しておいた必殺の時速200キロナイフ。
 まあ肩に当たってしまったのだが。

「クハハハハハハハハ」
 物陰から彼の笑い声が聞こえる。その狂ったような笑い声に、ついに壊れたのかと勝利を確信した優越感が俺の中で溢れ出てきた。

「Fランクの俺に追い詰められる気分はどうだよ、Aランクさんよお!!」

 まるで小悪党のように俺は彼へと叫んだ。
 最
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