第四話
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俺の右方向におり、能力を存分に使ったすさまじい剣撃が、俺の頭上へと通り過ぎる。
すかさず俺は、上手く常態を拗じらせ鎌の形に、体ギリギリで彼の攻撃を避ける。
剣先が俺の鼻先を通り、刃のコーティングされた金属波が存分に見えた。
そして顎を引き、ムチを唸らせるように、肩、腰、尻、裏太もも、ふくらはぎ、そして感で剣先を避けきったかと勘で察知したあと、足を前に手を使わずに後転する要領で避けた。
滑らかに動いたその体は、まるで水のような身のこなしだ。
――佑の卓越された反射神経と、高度の思考予測により、この能力者のような、いや神のような回避は可能なのだ。
佑本来の凄まじい天性のセンスを、剣先生は見抜いていたのである。
先ほどとは明らかに違う、攻撃頻度、威力、磨かれた絶剣の如く剣筋だが、俺は完全に見切っていた。
距離を取るためすぐさま弾丸を放つ。彼は予測するように弾丸を切り落とした。
俺は彼のあまりの強さ、そして自分がこれほどまでに、渡り合えていたということに心が踊る。
ついつい口元が緩んでしまう。
「なんで笑ってるんだい?」
繰り返す動きの中、彼は不思議そうに、こちらを横目に見ながら質問をした。
「そりゃ初実戦が、強いお前みたいな奴となんだから嬉しくない訳がないだろう」
あちらの動きが止まり、俺も動きを止め質問に答えた。
そうだ俺は戦いが大好きなのだ。剣先生に見込みがあると言われたのはこのことなんだろうか。
剣先生が以前言っていた「私と同じ”匂い”をした初めての人」だと言われた。
そうだ俺は”絶望状態の殺し合い”が好きだ。
「行くぜAランクさん、お前の変な能力も見極めたし、後はお前を倒すだけだ」
彼の能力は、おそらくだが、超筋力系統の能力者、物理法則を超えた力で瞬間移動を可能にしてるのだろう。
今までの途切れた映像のような行動が何よりの証拠だ。断片的にしか使えないのか、ある一定のリズムと距離で、能力を使っている。
おそらくだが、その時間間隔は一秒よりも少ない。
そしてインターバールがおおよそ10秒。それはいい情報だ。
まさに接近戦に特化した能力と、それにあわせた相性のいい武器だと俺は納得した。
瞬間移動ができるなら、それに合わせて間合を調節し、粘り強く攻撃を避けて、相手の攻撃手段を着実に減らしていき、最後の最後に渾身の一撃を……
まず先決することは、接近戦で強烈なあの武器を壊すことだ。
壊せなくても使えなくすればいいのである。そういえばあの曲がり刃の剣身で銃弾を防いでいたな。となると剣身はかなりの強度になるはずだ。
あんな大きさで全体がチタンの武器を使うなんて、どんなに大男でも無理な話だ。刃以外は必ず軽量化の為に
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