第三話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ざけている場合じゃないですよ。本当に大丈夫なんですか?」
「だ、大丈夫だよ、緊張しているだけだから」
「緊張したら、そんな顔になるんですか?はははははははhh」
彼女はなぜか腹を抱えて笑った。お辞儀をするように腹を抱えているので、シャツの隙間から谷間がいい感じに見えた。
も、もう少し屈むだけでで全体像が…… いつもは何とも思わないんだが、この時ばかりは色気のおかげで嫌な緊張はほぐれてきた。
「タスク兄さん、これ」
彼女の後ろにまわしていた手から簡略式水筒が飛び出してきた。
「お、サンキュー」
「お守りとして持っていってください。勝って必ず私に返すこと! いいですか?」
彼女は、あざとく俺の顔を覗き込むように見ると、可愛らしい笑顔が溢れ出た。
「まあ、一勝はできると思う。見といてくれ」
「はい! 応援していますね」
話を終えると闘技館に入った。もう少しで開会式が始まる。
第1試合を終え、開始まで待合室で待機していた。
ユウから貰った水筒を一飲し、瞑想をして集中力を高める。
「佐部佑、準備を」
係の矢吹が俺にそう告げた。
「うっす」
そう言い太ももを叩いた。良い感じに体も出来上がっており集中力も随分とある。
「佐部佑、入場をお願いします」
アナウンスがそういった。カーテンを抜ける。
直径50メートルの円内の中央にして、二本の白線がある。そこまで真っ直ぐと進み、相手の選手が出るまで待機していた。場内には観客席がある。歓声は無いが、俺とその対戦者を取り囲むように、学園の生徒が満遍なく並んでいた。
前から卍城王也が入場してきた。彼の人気が高いのか歓声が一斉に上がる。
卍城王也の外見は、中途半端に長い髪が、顔のセンターで分かれている。顔は色白のイケメン、背は俺と同じくらいだろうか。いや少しあちらの方が大きいようだ。
白線に止まると、手を顔に当てた。
「俺の名前は(ここから先は声が低すぎて聞き取れない)」
そう彼が言った。
うわっ…… なんだこの嫌悪感は。
こんな残念イケメンがBランクときたもんだから、とても不条理な世界だなとそんな物思いにふけってしまった。
いかんいかん、戦いに集中だ。
「両者、武器の確認を」
アナウンスが確認をとる。
武器の確認をする。
ランク祭では、各々が好きな武器を使える。銃は2丁に刃武器は三本までとのこと(代わりにオリジナルの武器を使うこともできる)。開始と同時に能力を使うことが許可される。周りを囲む白線から出ると即失格となる。勝つためには先に相手を倒す(文字通り)ことと、白線に相手を追い上げること。一応ここは傭兵学校、殺し合いになることもある。一歩
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ