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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二話
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ことが義務付けられる。
 俺だけこのような仕打ちなのは、実力主義のランク制のせいでもあるんだが、何よりも空き部屋が無いからと言われ、俺の前に住んでいた部屋を追い出されたからだ。
 世の中理不尽だらけで、俺には楽しい瞬間は、趣味ぐらいの時でしかない。

「おはよ、タスク兄さん!」

 いつものように、ハリボテのドアを閉めると隣のマンションの少女、ユウが元気に挨拶をしてきた。
 歳は一つ下で、外見は黒い髪のロングに、ぱっちり二重の目。
 背は155くらいだろうか。たまに一緒にご飯を食べたり、食べなかったり。
 そんな仲の隣人だ。

「ちょっとー、タスク兄ぃ、無視は酷いですよ」

 彼女はあざとくほっぺたをふくらませる。
 特別な感情が湧かないその理由は、こいつは超筋力能力者の、とんでもない怪力女だからだ。
 おかげでというか、散々な目に合っている。
 とくに酷かったのが、このハリボテのコンテナハウスを、ダンボールを解体するように壊した時だ。
 あのときは膝をガックシと降ろして、ひざまずいて、おいおい泣いてしまったことを覚えている。
 彼女のランクはB級、凄まじい怪力と並外れた体術の強さで、並み大抵の能力者には勝てるほどの実力である。

「むぎゅぅ! おお、この前よりも体格が変わってるね」

 急に彼女に抱き着かれた。あざとすぎる、普段は無口で可憐な美人というキャラで通っている。
 しかし、俺と二人きりになると今のように甘えてくるのだ。いや暑苦しい、もう8月だぞ。
 彼女は俺の胸にフーッ!と飛び込むと、鼻を俺の右脇の匂いを嗅ぐように移動させ、フンガフンガと臭いを嗅いでいる。
 抱きついた体が、ほどよく富んでおり、大きな胸を俺の腹あたりにボヨンボヨンと押し付ける。
 うむ柔らかい。俺の体に触れるたびに白いシャツのボタンとボタンの間から、健康的な肌の柔らかそうな谷間が見えた。
 下の方には、乳を支えていると思われる、ピンク色の色気のあるの生地、白い金具がはちきれんばかりに、引っ張り合っている。
 男性から見ると、おっぱいは柔らかそうに見えるのだが、実際に触ってみると意外と硬かったりする。
 まあこいつの場合は脂肪のおかげでぼよんとしてはいるが。

「ちょっ……、わかったから! いい加減にしないと夜中に襲うぞ」

 どうせ返り討ちに合うかもしれないが。っていうか本当に暑苦しい。

「そんなこといって、もっとおっぱいが当たって欲しいって思ってるんでしょ?」

 俺の心を読むな。もっと当てろ。


 そのまま、彼女と一緒に学習館に行った。
 いつものように寮の階段を下り、ユウと学園まで歩く。

「そういえば今年のランク戦は出るんか?」

「出ませんよー、A級には上がりたくはないですから
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