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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第一話
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ないので、こう返した。

「心の準備とかいろいろありますし…… 前向きに検討でいいですか?」

「前向きに検討…… あ、では、それで」


 そして何もなかったように授業は再開した。



「そして私が今、所属してるのは能力者の兵隊への育成、指導などをする日本能力者機関の組織の一つ、ESP学園である。
 5年間を中等部で過ごし、高等部は4年間、実際の兵としての訓練期間は、16〜18歳の三年間。
 ESP学園を卒業した後、大抵は国を護衛する裏の兵隊として活躍し、」

 十七の俺は、今年で高等部四年生ということだ。
 今年最後のESP学園でもあるわけだが、正直自分の将来について絶望している。
 俺は無能力であり、実戦ができない。だからスペシャルソルジャーにはなれないのだ。
 いつもこの考えが始まるとゲームの攻略についての考えにシフトさせるが、なぜか寝不足なのか今日ばかりは考え込んでしまった。

「佑!」

「はひっ」

 そんな考え事をしていたため、大げさに驚いた。
 土下座をして顔をあげたときに、シャツの間からブラを見てしまったことがバレたんだろうか。
 ちなみに白であった。ごくりと唾を飲み込む。

「そういえばお前の将来はどうするんだ? ここは能力者による傭兵学校、お前のような無能を養うようなところではないからな……」

 彼女はすぐ右にある窓から遠くを眺める。
 そして俺を窘めるように見た。

「」

 能力印はあるが、俺は無能。
 このままFランクの無能のままでは、ダメなのだと自分でも思っているし、いろいろと行動は起こしている。
 だから、こんな理不尽な現実を黙って受け入れることなんてできない。
 まずすることは、無能力の俺でも戦えるということを証明することだ。
 それにはランク祭に出ることが、俺の目標だ。
 しかし、俺にはランク祭に出ることはできない。
 それは、実戦授業を受けたことが無いからである。

 ランク祭とは、己の強さを示すために、能力者同士で、トーナメント形式で戦闘をするESP学園独自の学園行事だ。

 ただ一人であるFランクの俺は、能力が使えないため、今までの2年間は出場することができなかった。
 おまけに、対ESPの実戦授業もさせてもらったことが無い。
 一年前の俺は半ば諦めたように生きていた。周りの人間が輝くように成長していく中、自分だけは何かに縛られているような気がしていて、悲しい思いもたくさんした。

 ――――だからもう諦めた。

 ランク祭に出場すること。自信を鍛えることも。
 俺の場合、積み上げられた努力の上には必ずと言っていいほど挫折が待っている。
 無慈悲に崖にしがみついている手を切り落とすように、まるで俺は全てをあ
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