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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第一話
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成功とそんなニュアンスが混じった言葉、そして何よりも俺を面白おかしく笑っている彼女の顔。
 俺は帰る準備を始めた。

「嘘です! ちょっと帰らないでタスク、ごめんて」




「ンヴンッ…… 授業を再開するぞ。大抵の能力者は、赤ん坊が一人で歩けるようになるのと同じように、能力の行使ができる。
 故に、ここESP学園では、実践戦闘が教えられる。能力個人差はあるものの、10歳前後で能力は覚醒する」

 ノートに単語を淡々とならべ、彼女が言い終わった後にこういった。

「先生、俺もう十七なんですよね。このまま能力が発動しないなら俺のこと貰ってもらえますか?」

 などと彼女に冗談のつもりで聞いてみが、

「え、っちょ…… ファッ!? プ、プロポーズ!? ここで?」

 ポンッと頭の上で空気が抜ける音のようなものが聞こえた。
 その顔は、真っ赤に染まっており、いつものような鋭い顔つきとは思えないようなポンコツ具合である。

「え、もちろん冗談ですけど……」

 すると彼女の顔は。みるみるうちに鬼のような形相へと変わっていた。
 眉間の間には、凄まじいほどのしわ、眼は白目へと変わっている。

「た、タスクぅううううううううううううううううううううううううううう!!!!」

 ひぃッ!! とある女教師の絶叫。
 彼女はドスドスと俺の座っている机に近寄ると、両手で強く叩いた。
 ノートペンは、宙を舞い、驚いたように彼女と距離をとった俺の頭へ、降りかかる。

「貴様さっきのお返しかァ!!」

「ち、違いますううううううううう!! ご、ごめんなさいぃいいいいいいいいいいいいい!!」

 ヒョイっと机から出ると、謝罪の言葉とともに彼女に土下座をした。
 二度とあの授業中のように、鋭いパンチを腹には食らいたくはない。
 ここはできる限り…… 土下座だぁ!! 

「しッかしなあ、私がこんにち二十七まで結婚していないのは、お前もわかってのことだろうッ!!」

 地に頭をつけているせいか、彼女のイメージはとても怖いものとなっていた。

「すいません、あなた様が結婚していないと把握していない僕のせいでしたァ!!」

 ははー! とどこかの時代劇の人たちがやっているようなきれいな誠意という土下座をみせる。
 ああ、俺なにやってんだろう。

「(なにかが刺さったような音)グハッ! も、もういい…… だから表をあげい」

 恐る恐る俺をチンピラそわりで見ているだろう彼女を見る。

「こんな傲慢なわたくしですが…… よろしくお願いします」

 いままでの彼女とは思えないようなきれいなお辞儀である。
 こんな女の子のようなしぐさができたんだなと、驚きを隠せない。
 というわけにもいか
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