十六話 戦い@
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四角く切り取ったような光の中へと足を踏み入れると、そこには観客がいっぱいいっぱいに詰まっていた。
対戦相手の方は……と辺りを見回すと、そこには二人の少女がいた。
しかも、両方知っている。
「あっ!ロアさんですわ!今日は、お相手お願いいたしますわ」
そう言ってニッコリ微笑む金髪のツインテール少女。絵に描いたようなお嬢様みたいな女の子。だけど装備は両手斧。
「勝つから。絶対負けない」
そう強気な言葉を投げかけた銀髪ショートカットの少女。なんとなく雰囲気がアクにいている女の子。装備は刺剣。
二人の名前はユラとトア。
金髪ツインテの方がユラ。銀髪ショートがトア。
二人は血盟騎士団の前線ではないものの中層プレイヤーの憧れとなっている。
丁度二人合わせて僕とおんなじくらいのレベルだが!
二人共、レベルが技術に追いついてない。
もっと熱心にレベリングしてたら最前線も夢ではなかったと思う。
「よろしく。でも、僕も負けるつもりはないからね」
微笑んで僕が言うがまあ、今できる限りの強がりだ。
正直、本気を出しても勝てるかどうかわからない。
だけど、今の僕には勝たなくちゃいけない理由がある。
絶対に勝つ!
メニューウインドウを出し、デュエルメッセージを飛ばす。
相手からの承諾はもちろん受諾。オプションはキリトと同じく初撃決着モード。
カウントダウンが始まる。
僕は頭の中でネオと作戦の確認をする。
『相手は二人です。一人は両手斧、もう一人はエストック……ですか。なるほど。貴方がいつもと違う防具の訳が分かりました』
うん。二人の場合、連係プレイが得意だからね。
『なるほど。では、あらかじめ考えておいた策にあまり修正は無いようですね』
うん。これで多分勝てる!
『相手がなにか特殊な事しなければ、ですけどね』
……ああ、ん、まぁ、そうだね、うん。
『…………』
あ、相手にされなくなった。
とにかく、今は目の前のことに集中せねば。
今回僕は、《英雄の力》を使うことは出来ない。というより不可能なんだ。
《英雄の力》は本来守りたい者がピンチの時にしか発動しない。
つまり今回はユニークスキル無しで戦わなければいけない。
=大ピンチ!
まあ、なんかの拍子に《英雄の力》が使えたらいいのに。
そんなことを願っている間にもカウントはどんどん進んでいく。
あと、3、2、1……DUEL!
「シッ!」
鋭く息を吐き、勢いよく飛び込んで、先制したのはトアだった。
やっぱり防御力とかを捨てて素早さにほぼ全振りしているからか、速い。
だけど、やっぱりレベル差が大きいから、僕はトアの速さを見切ることが出来る。
ガキィィィィン……
金属音が鳴る。
トアのエストックを僕の剣で防いで
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