第103話 張純の首
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説教などお構いなしにマイペースに言いました。
「無臣、お前は儂の言っていることを聞いているのか!」
「巣厳、別に気にするな」
私が巣厳の言葉を制止すると、彼は何か言いたげでしたが、口を噤みました。
「無臣、褒美だったな。何が欲しいか言ってみろ」
「あんたの部下にして欲しい」
無臣は私に真剣な表情で言いました。
「何故、私の臣下になりたい」
私は率直な感想を言いました。
「あんたは偉いんだろ。私は漢人の連中に偉そうな顔をされるのが我慢ならない。だから、私はあんたに仕えて偉くなりたい」
無臣は私を熱意に満ちた視線を向け言いました。
「それで私に仕えたいのか・・・・・・。私は出自に関係なく、人材を登用しているが今のところ私の配下は漢人のみだぞ。お前が私に士官すれば、お前の上官は間違いなく、漢人になるがいいのか? それに私もお前が嫌う漢人の一人だぞ」
「構わない。私は必ず偉くなる!」
無臣は胸の前で腕組みして、胸を強調するように言いました。
彼女は馬鹿でしょうか?
「私の元にいる限り、漢人の配下のままだと思うが・・・・・・」
「あんたはいいんだよ! 仕えさせてくれないのかい」
無臣は私に馬鹿にされたと思ったのか、顔を紅潮させ怒鳴りました。
「いずれにせよ張純の首を確認してからだ。張純の首ならお前を直臣に取り立ててやる。ただし、条件がある」
「条件?」
「その無礼な態度は改めろ。私は許しても、私以外の高官に対し、そんな態度をとっていたら首がいくつあっても足りないぞ。私に仕えるというなら、まず最低限度の礼節を身につけろ。いいな」
私は無臣の顔を厳しく睨みつけ言いました。
「何でそんな・・・・・・」
「いいな!」
私は有無を言わさぬ目で言いました。
「分かった・・・・・」
無臣は渋々応えました。
その後、白蓮が私の陣幕に訪れ、彼女と私、冥琳で無臣が差し出した木桶の中を確認しました。
木桶の中には人の首が入っていました。
「こ、これは・・・・・・間違いない。張純の首だ」
白蓮が最初に口を開きました。
「間違いなく、張純か?」
「正宗君、間違いない。以前、張純がまだ役人をやっている頃に、私は一度会ったことがある。塩漬けにされて、見た目が少しが変わっているが張純本人だ」
「そうですか。巣厳、無臣、ご苦労だった。褒美を準備するので、張純討伐に関わった烏桓族の族長に伝えておいてくれ。褒美の用意するのに多少時間がかかるだろうから、巣厳はここに残ってくれないか?」
冥琳と巣厳は褒美の話について話を始めた。
「無臣、お前が張純を討ち取ったそうだな。本
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