第103話 張純の首
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ようですね。
私が骨を折った甲斐がありました。
「劉車騎将軍、お陰さまで暮らしが以前に比べ楽になりました。あなた様のご恩を一日足りとて忘れたことはございません」
巣厳は拱手して私に礼を述べました。
「気にすることはない」
「本日、まかり越したのは、以前ご指示を受けておりました件についてでございます」
巣厳の言葉に私と冥琳は真剣な表情になりました。
彼に頼んだことと言えば、張純の首です。
「張純を討ち取ったのか?」
口火を切ったのは冥琳でした。
「はい、死体を持って来る訳にもいかず、首を塩漬けにして持って来ています」
「して、その首は何処だ?」
私は落ち着き無く言いました。
「陣幕の外に控えている者に持たせています。その者が張純の首を討ち取りました」
「そうか・・・・・・、その者を直ぐ中に呼べ。張純の首を確認次第、褒美をやろう。安心しろ。その者だけでなく、討伐に参加した者達にも褒美を与えよう。冥琳、張純の首実験をするので、白蓮をここに呼んでくれないか?」
私は巣厳を言うと冥琳に白蓮を呼ぶように言いました。
冥琳は軽く頷き、陣幕の外に控える衛兵に声を掛けました。
「劉車騎将軍、ありがとうございます。それとお願いがございます」
巣厳は不安そうな表情で私の顔を伺いながら言いました。
「何だ?」
「張純の首を上げたことで、我ら代郡の烏桓族は丘力居に敵と見なされておりましょう。ですから、劉車騎将軍に我らの保護をお約束していただきたいのです」
「そんなことか。何も気にする必要はない。私のために働く者達を見捨てはしない」
「はは――――――。そのお言葉を聞き安心いたしました」
巣厳は私に平伏して言いました。
「無臣、張純の首を持って中に入りなさい」
巣厳が呼んだ無臣という人物は女性でした。
やっぱりかと思いました。
年の端は私より若い感じがしました。
でも、朱里という例外があるので、外見イコール年齢とは言えませんけど・・・・・・。
彼女は陣幕に入って来ると返事も無く胡座を掻いて座り込みました。
「無臣! 劉車騎将軍に失礼だぞ! も、申し訳ございません」
巣厳は無臣のあまりの無礼な態度に顔を青ざめさせて、私に頭を擦りつけて謝罪しました。
「巣厳、気にしなくていい・・・・・・。ハ、ハ、ハ、無臣は緊張しているのだろう」
巣厳の態度に私は少し引いてしまいました。
「無臣、劉車騎将軍の寛大なご配慮に感謝するのだぞ」
巣厳は額に汗を掻きながら、無臣に説教をしだしました。
「あんたが劉車騎将軍? 『張純の首』を持ってくれば、褒美をくれるって聞いたんだけど」
無臣は巣厳の
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