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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?(第6幕)
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、いきなり城のプライベートエリアに来いと言っても、一人だと大変だと思うんだ。だから明日もマリピエ(マリー&ピエッサ)の練習でピエッサちゃんも城に来るだろうから、その時一緒に来てくれるかな?」

「も、勿論私は問題ありません!」
「ありがとう。でも学校が終わってからで良いからね。無理して学校休んで午前中から来られても、僕も一応仕事してるからさ」

「りょ、了解致しました!」
ピエちゃんの焦りようからすると、午前中から来るつもりだったな。
思わず笑ってしまう……が、ちょっと彼女に睨まれた(笑)

「そうだレクルト……デートの邪魔をした詫びに、ここの食事代を経費で請求して良いよ。領収書は絶対に必要だけど」
ピエちゃんに睨まれた僕をフォローしてくれてなのか、とんでもない提案を陛下はしてきた。

「い、良いんですか……税金を個人のデート代に使ってしまっても!?」
「……………そうか、税金になるのか。それは〜……拙いな」
あ……余計なこと言ったかな?

「今の取り消し! 忘れてくれレクルト大将」
「は、はい……」
失敗したぁ〜……

「ピエッサちゃん」
「は、はい!?」
突然真面目な顔でピエちゃんの名を呼ぶ。

「領収書があるのなら、今日のデート代を全額経費として請求することを、王様として命令する!」
「はぁ!? い、良いんですか……今、税金で個人のデート代は賄えないと仰ったではありませんか!」

「ピエッサちゃん……君は何時(いつ)から公務員になった?」
「え? わ、私は公務員では無いですけど……あ!」
そういう事か!

「ピエッサちゃんはウルフ・アレフガルドという人物に個人的に雇われてるだけで、グランバニア王家が雇ってる訳では無い。ウルフ宰相の給料は税金から捻出されてるけど、アイツが受け取った後は個人の資産だ。あのガキがポケットマネーで何しようが知ったことでは無い」

「でも良いんですかね?」
「おや……王様の命令に逆らうつもり?」
そりゃ逆らえないな(笑)

「もしこの命令に従わなかったら、罰として君らの夜の営みを赤裸々に発表してもらうからね……皆の前で(笑)」
「それは従わない訳にはまいりませんね!」

「そういう事」
陛下はニッコリと微笑み立ち上がる。
そして優雅な動作で店から出て行った。

「これは失敗したわね……お昼も領収書を発行して貰えば良かったわ」
「この店以降で挽回しようよ」
「テイクアウトは出来るのかしら?」
「取り敢えず食べるだけ食べてから聞いてみよう」

僕とピエちゃんは頷き合ってから慌ててメニューを開く。
これは忙しくなってきたぞ!
そうだ……ヴィンテージのワインもボトルで注文しよう!

『この店で一番高いワインを!』
なんてね。

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