暁 〜小説投稿サイト〜
日本国召喚〜Country survival〜
邂逅編
第1話 転移・遭遇
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翼に赤い丸が描かれていた。
 彼らは反転して、愛騎を羽ばたかせる。風圧が重くのしかかり、飛ばされそうになる。一気に距離を詰めるつもりだったが、全く追いつけない。ワイバーンの最高速度は時速235km。空を飛ぶ生物の中では最速を誇り、馬より速く、機動性に富んだ空の覇者――ただ三大文明圏にはさらに品種改良を加えた上位種が存在するらしいが――が全く追いつけない。
 相手は、生物なのか何なのかも全く解らない。

「くっ!なんなんだ、あいつは!!」

 自分達飛竜騎士団が追い付く事の出来ない相手に、困惑が広がる。

「管制塔、応答せよ! 管制塔、応答せよ! 我、飛行騎を確認しようとするも、速度が違いすぎる!飛行物体は現在、本土マイハーク方向へ進行!繰り返す、飛行物体はマイハーク方向へ進行中!」

 マールパティマから送られてきた報告内容に、マイハークの飛竜騎士団管制塔のみならず、マイハーク防衛司令部は混乱に包まれた。
 マイハークから400kmの位置で発見され、しかもワイバーンより圧倒的に速い速度で接近してきているとなれば、2時間以内にマイハークに到達する事となる。もしも神話に聞く神龍種だった場合、被害は甚大なものになりかねない。

「第6飛竜中隊は全騎発進せよ、未確認騎がマイハークへ接近中、領空へ進入したと思われる。発見次第撃墜せよ、繰り返す、発見次第撃墜せよ」

 市街地郊外に設けられた全長500メートルの滑走路から、基地に待機していた竜騎士の駆るワイバーンが発進する。その数12騎、現有戦力での全力出撃である。
 彼らはこのマイハークを守るために透き通るような青い空に向かい、舞い上がっていった。
 30分後、第6飛竜中隊は件の飛行物体とマイハーク上空で会敵したが、飛行物体はワイバーンの2倍以上の速度で迎撃部隊を振り切り、マイハーク上空を旋回。市民は恐怖に陥り、混乱が巻き起こったが、10分後に飛行物体はその場から飛び去って行き、守備隊はただ、その謎の飛行物体を見送る事しか出来なかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3日後 洋上 日本国海上自衛隊・台湾海軍合同部隊

 台湾から南西に200kmの地点に見つかった陸地に文明が発見された事を受けて、日本政府と台湾中華民国政府は現地に艦隊を派遣し、外交的接触を図る事を決定した。
 その合同艦隊の先頭を行く航空機搭載護衛艦、DDV-192「いぶき」の艦橋では、2人の男がただ静かに目前に広がる大海原を見つめていた。

「広い海ですね、秋津さん。本当に地球ではない世界に来たのかと疑いたくなります」

 対外接触団のリーダーを務める矢口蘭堂官房副長官の言葉に対し、「いぶき」艦長の秋津竜太一佐はただ静かに真正面を見据えながら言葉を返す。

「ですが、小麦を中
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