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夢幻水滸伝
第百六十四話 土佐沖にてその八
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「この流れはな」
「自分の読み通りでやな」
「警戒する、それだけでな」
「敵は疲れるな」
「今度の戦では敵を疲れさせる」
「それが第一の目的やからやな」
「それに乗ってくれてるとな」 
 まさにというのだ。
「僕にとってはな」
「最高の流れやな」
「そや、それでな」
「そのうえでやな」
「連合にはこっちに来るまで警戒しつつ進んでもらって」
 そうしてというのだ。
「疲れてもらうわ」
「長旅と合わせてやな」
「そや、長旅で緊張が続くとな」
「こんな疲れることはないな」
「阪神タイガースがそやったやろ」
 芥川は笑って起きた世界のこの勝っても負けても華がある不思議なチームの話をした。本拠地は西宮市の甲子園球場である。
「毎年夏は高校野球があるな」
「地獄のロードやな」
「本拠地が使えんでな」
 その甲子園球場がだ。
「それで遠征ばっかりになってな」
「長い間旅してな」
「連戦続きで」
「それで疲れていってな」
「そこから成績落ちてな」
「毎年優勝し損ねてたわ」
「それだけ長旅で緊張が続くと疲れるな」
 中里もその辺りのことを理解して頷いた。
「ほんまに」
「そや、それでな」
「自分も相手がそうなる様に持って行ったんやな」
「そうや、色々考えたけどな」
「今回は、やな」
「こうしたわ、敵を疲れさせることをな」
 こちらをというのだ。
「選んだわ」
「奇襲やなくてやな」
「奇襲だけやない、というか奇襲は成功したら大きいけどな」
 それでもというのだ。
「失敗したらな」
「その時はやな」
「倍返しになるわ」
「策が失敗して相手に反撃される」
「そうなる、そやからな」
「みだりに使うもんやないか」
「そういうもんや、それに奇襲を立て続けに成功させたら」
 その場合についてもだ、芥川は話した。
「またやったろと思って頻繁に使う様になるやろ」
「使わんでええ時もやな」
「それでそれに溺れるんや」
「策と同じやな」
「そや、策士策に溺れるはな」
「策を続けて成功させてやな」
「上手にいって」
 そしてというのだ。
「策で何でも出来るって思ってな」
「みだりに使ってやな」
「もうそればっかりになってな」
「見破られたりしくじるな」
「そうしてあかん様になる、奇襲も溺れたらな」
 それこそ策と同じくというのだ。
「あかん、それでや」
「自分は今回はやな」
「その考えもある」
「あと相手にはもう奇襲は、やな」
「これまで使ってきて警戒されてる」
「それでやな」
「あえて捨てたんや、奇襲を使わんでも相手の意表を衝く」
 このことはというのだ。
「出来るさかいな」
「それでやな」
「今回はそうしていくで」
「ほなな」
「まだまだ英気を
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