俺の名は明智小五郎
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早まるな。ちんこの大小は只の設定で、本筋には関係ないのかも」
「じゃあなんで『ちんこ』が設定されているんですか!!欺瞞はやめて下さい!!」
「え、いや」
「江戸川乱歩の『怪人二十面相』に!小林少年や二十面相のちんこが出てきますか!?出ないでしょう!?作者だって必要ないから設定すらしてないんですよ!!わざわざちんこが設定されているということは、出番があるってことですよ!!」
「ちんこちんこ云うな!考えがまとまらんじゃないか!!」
原作から設定済みの赤いくせ毛を掻きまわし、俺は叫んだ。
「……そうか、これは『三角関係』の物語なのだ」
「もう一人居るの!?何処に!?」
「俺には妻が居るじゃないか!!」
そう、二次創作では無視されがちな設定だが、明智小五郎には妻が居る。明智邸に頻繁に出入りしている小林少年なら、妻とも顔見知りのはずだ。
「夫のダビデ像に密かに不満を持っていた妻は、小林巨根と関係を持つ…」
「失礼な云い方すんのやめてくれますか」
「その関係に気が付いた俺は、君を蔵に呼び出し問い詰める…そして!!」
「わざわざ妻の回想にチョロっと現れるんですか、そのダビデ像」
「うるさいよ!…まぁそういう展開なら、俺達のちんこが設定されていても」
「待って下さい!明智先生の奥さんていったら何歳なんですか!?軽く三十路は過ぎてません!?」
「じゃあお前、おっさんを無理やり犯すのと熟女と不倫、どっちがマシだ!?」
「熟女です!!」
「即答だな、じゃあそれでいく!!」
俺が話をまとめかけた時、小林少年がふと顔を上げた。
「待って下さい。奥さん、どう設定されてますか」
云われてふと、俺は妻の顔を思い浮かべた。美人…といえば美人だが、なんというか適当に作られた、創作者の愛着をカケラも感じない意地の悪そうな美人が、脳裏をよぎった。
「……なんか」
「少女漫画で云えば、ライバルキャラの顔つきですね。多分、名前は『イザベラ』ですよ」
「日本人だ!俺の妻っつってんだろうが!」
「三角関係というのなら、僕らに設定されているようにその…奥さんにもほら…」
「成程、生々しいコトを聞くのは厭なので、オブラートに包んで聞いてみよう」
同じ作品に登場する同士、俺と妻はその場に居なくとも意識をやり取りできる。俺は意識を集中し、妻に飛ばした。
「……おい、今何処にいる」
『本宅の居間にいる設定です』
時報と話しているような回答だ。恐らく性格設定が甘いのだろう。
「突然だが、確認したいことがある」
『…何ですか』
「お前、乳首は設定されているか?」
「はぁ―――!?」
妻より先に、小林少年が反応した。
「ちょっ…オブラートに包むって云ったじゃないですか…!」
「え?え?包んでない?充分に。性器に言及してないだろ?」
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