偽・新約篇
第2章
アイツのいない世界《後篇》
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支部の…たしか初春だったか?
…もしかしてやっかい事じゃん?」
話しかけた生徒の片方が風紀委員だったことで、黄泉川は良くないことが起こった可能性があるのかと思ったのだが―――
「いえ、違うんですけど。えっとあの御坂さんの様子がおかしいんでちょっと後を付けていたというかなんというか。
なんか声もかけずらい雰囲気ですし…」
初春に言われ黄泉川は美琴のほうを見る。すると確かに雰囲気がいつもに比べてかなり暗い。これなら話しかけにくいのもうなずける。
「…分かった。わたしが連れ戻すからちょっとここでまってろ、送ってってやるじゃん」
「…あの、私たちも一緒にいっちゃだめですか?」
「私からもお願いします」
「…わかった。じゃ3人でいくじゃん」
「初春、お姉さまは!?」
2人にそう言って黄泉川が動こうとする直前、白井が到着した。
とりあえず完全下校時間を過ぎていることは置いておくとして黄泉川は言う。
「よし4人でいくじゃん」
(後輩にまで心配かけてんじゃねーじゃん、御坂)
「いや、私も行きましょう」
「寮監さま!!」
「…白井、お説教は後だ。いまは御坂を連れ戻すぞ」
何故か御坂の寮の寮監まで現れて黄泉川は苦笑する。
(おまえはこんなに愛されてるんだぞ御坂…)
「じゃ5人であの不良娘を連れ戻しに行くじゃん」
そんな時だ、雨が降ってきたのは。
(これは早く帰んないとずぶ濡れか…)
そう思いながら美琴を見る。そこにはいまにも消えそうな雰囲気を纏った美琴がいて、黄泉川は無意識の内に美琴のもとへ駆け出していた。
「御坂さん!!」「御坂さん!?」「お姉さま!!」「御坂!!」
それは他の4人も同じだったようで全力で駆け出していた。
またあの声が聞こえる。
『契約セヨ』
『ミサカミコトよ世界と契約セヨ』
『さすれば世界汝の願い叶えん』
ねぇあなたの声にこたえれば本当に当麻に会えるの?
『肯定』
本当に当麻と会えるんなら私は…私のすべて捧げてもいい。
ねぇ代償は何?
『貴殿の死後を』
たぶん私はそれを代償として差し出すことの意味を分かって無いのかもしれない。
それでも私は当麻に会いたいから…
「…いいわ、契約する」
『了承』
黒子。いっぱい心配かけたよね。こんな私を慕ってくれた後輩で親友。
佐天さん。たくさん励ましてもらっちゃった。私を叱ってくれ
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