偽・新約篇
第2章
アイツのいない世界《後篇》
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れつき騒いでうるさくしたなどもある。
そしてもう一人は常磐台の超電磁砲こと御坂美琴、本質はお嬢様とかけ離れた少女。正義感が強くて、それを貫き通すだけの意思と力を持った少女。折檻する回数が白井の次に多いのが玉に傷だが。
まぁ彼女が怒られる理由の大半には白井が関わっているので少し不憫に思わなくもない。
(2人ともいい子なのは確かなのだがな…。もう少し心配するこちらの身になってくれると助かる)
白井黒子と御坂美琴、彼女達は寮監である彼女の折檻を抵抗なく受ける。本気で嫌がるそぶりを見せながらも、だ。
本来、高位能力者である白井と御坂が本気で寮監である彼女を黙らせようとすればそれは容易だろう。でも彼女たちはそれをしない。
(…本当に優しい子たちだ。私に怪我をさせない様に、だろうな。能力を無意識の内に使用しないようにしているのは)
「…本当に分をわきまえた。私なんかには出来すぎた子たちだ」
そう呟いた時だ。白井が必死の形相で階段を下りてきたのは。
「待てっ白井。外出は認めんぞ」
「……お姉さまッ!」
寮監が止めるのも聞かず白井は夜の街へと飛び出していく。彼女はそれを呆然と見送った。
「…何が起こっている?」
冷静になって考えてみると部屋を訪問したわけでもないのに空間移動能力者である白井の時間外の無断外出に気が付けるはずはない。
ということは――
「やっかいごと。それも御坂に何かあったか…」
――少なくとも白井が冷静さを保てなくなるほどの出来事があったということだ。
「…まったくこんなのは私のキャラではないのだが、な」
その可能性に行き着くと同時に寮監は寮の外に飛び出していた。
手のかかる、でも大切な自分の妹達を探すために。
黄泉川愛穂がその日、その場所に居たのは全くの偶然だった。
その日は珍しく学校の同僚で飲み友達の月詠小萌と鉄装綴里が急用が入り飲みに行けなくなったため、警備員の巡回後は真っ直ぐ家に帰るつもりだったのだ。
雨の中、鉄橋にたたずむ御坂美琴とそれを見守るように立つ中学生二人組を見つけるまでは。
(たっく何してんじゃん。もう完全下校時刻はとっくに過ぎてるってのに)
とりあえず黄泉川は近くに居た中学生2人組に声をかけることにして近づいていった。
「おまえたち何してる?もう完全下校時刻は過ぎてるんだから早く帰るじゃん」
「あはは〜すいませんすぐ帰りますんで」
「すみません!って黄泉川さん」
「お、君は確かそうそう一七七
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ