偽・新約篇
第2章
アイツのいない世界《後篇》
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、初春。なんか御坂さん変じゃない?」
「へ?確かに少し覇気がないような気がしますけど気のせいじゃないですか?」
「ううんそうじゃないの…。何て言ったらいいか難しいんだけど…。
なんか御坂さんらしくない消えちゃいそうな雰囲気…」
佐天は何かを思い出すようにしながら美琴を凝視する。
「そうだ…まるで1年前のあの時にに戻っちゃったみたいな。そんな感じ…かも。
いや見た感じはあの時ほど変化はないよ?でもあの時よりひどいって感じたんだよね」
「…佐天さんが言うならそうなのかもしれませんね。とりあえず私は白井さんに連絡を入れますね」
「うん、お願いね初春。…白井さんが来るまではちょっと気は引けるけど御坂さんのこと見てないとね」
佐天はそう呟くと歩き出した美琴を追って歩き始めた。もちろん初春の手を引いて。
「ちょっ佐天さん引っ張らないで私まだ電話中なのにー!?」
なにか後ろで叫んでた気もするが気にしない。気にしないったら気にしないのだ。
白井黒子が初春飾利から連絡をもらったのは寮に入り「お姉さま遅いですわね」と呟いていた時だった。
その連絡を受けた白井は寮監が呼びとめるのも聞かず寮を飛び出し全速力で駆け出しはじめる。
思えば朝から美琴の様子はおかしかった。
声に覇気がない、黒子のほうに顔を向けない、授業のほうは無断欠席――これはたまにあるが――と数えだしたかキリがないかもしれない。
それを白井はただ単に体調が悪いのだと“勘違い”した。自分の都合のいいように取ってしまった。
あの時、1年前と同じにおいを感じていたのだからもっと慎重に行動するべきだったのだ。
少なくとも今日、この日に限って言うなら白井は美琴から離れるべきではなかった。
(なんだか嫌な予感がしますの…。お姉さま早まったことはなさらないでくださいまし!)
ちなみに空間移動を使った方が断然早いことに白井が気が付いたのは走りだして5分後のことだった。
彼女が白井の行動に気が付けたのは全くの偶然だ。
もう門限を過ぎている時間、彼女はいつも通りに常磐台中学の寮の1階のロビーで仕事をしつつ門限に遅れてくる生徒の監視をしていた。もっとも門限に遅れてくる生徒などほとんどいないのだが。
(まぁあの二人は例外だろうな…)
そう心の中で呟く。そんな彼女の頭の中に浮かんでくるのは二つの顔。
まずは風紀委員の白井黒子、正義感が強く良く無茶をする。たぶん彼女が折檻した回数が一番多いのも白井だろう。理由は主に門限破りと寮内での能力の仕様の二つだ。…それに加えて御坂にじゃ
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