第107話
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”食事をしたい”という感情が芽生えているよ。」
「ふふっ、きっとレジーニアは初めて口にした食事を”美味しい”と感じてそんな感情が芽生えたのでしょうね。」
ルシエルは苦笑しながらルシア夫人の気遣いに対する感想を口にし、不思議そうな表情を浮かべて呟いたレジーニアの言葉を聞いたアイドスは微笑みながら指摘し
「なるほど……ということはこれがあたし自身の舌で”美味”を感じたことによる欲求―――――”食欲”か……食事を必要としない”天使”のあたしにもそんな感情が芽生えるなんて、これもまた興味深いね。」
「はは、みんな少し食べ過ぎたようだな。」
アイドスの指摘に納得したレジーニアが興味ありげな表情を浮かべて考え込んでいる中、仲間達の様子を見まわしたリィンは苦笑していた。
「フフ、みんな満足してくれたようで何よりだ。」
「リィン、食事の際に少し話が出たプリネ皇女殿下達もそうですけどステラさんと同じ貴方がメンフィル帝国軍の訓練兵時代にお世話になった上、貴方が率いている軍団の部隊長として貴方を支えてくださっているご学友の方々も夕食に招待してくださいね。」
それぞれ食事に対する高評価をしたリィンの仲間達を見回したシュバルツァー男爵は満足そうな表情を浮かべ、ルシア夫人はリィンにある事を頼み
「ハハ、わかりました。でもそうなると、少なくても人数は今の倍以上になりますから、夕食の場所は鳳翼館に大部屋を貸してもらった方がいいと思いますよ。」
「そうですね……それに、料理を用意する人達も母様達だけでは手が足りないでしょうから、私もお手伝い致します。」
「私も姉様と共にお手伝い致します、母様。」
「あの……!わたしも将来シュバルツァー家の使用人になる身として色々と学びたいですから、わたしも手伝わせてください……!」
「でしたらリィンさんの”使用人”を務めているわたくしも当然、お手伝い致しますから、遠慮なくこき使ってください、ルシアおば様。」
「お客様のアルティナさんもそうですが皇女殿下にまで手伝って頂くのはとても恐れ多い事ですが……お二方とも固く決意されている様子からして断る方が逆に失礼になりますから、お言葉に甘えて、4人ともお願いしますね。」
ルシア夫人へのリィンの指摘に同意したエリゼは手伝いを申し出、エリゼに続くようにエリスとアルティナ、アルフィンも手伝いを申し出るとルシア夫人は苦笑しながら答えた。
「では、私達は席を外すがどうかゆっくりしていってくれ。何もない所だが、足湯や温泉に浸かって日々の疲れを癒してまた明日から始まる戦いに備えてくれ。」
「何か不都合な事がありましたら、いつでも声をかけてくださいね。」
「了解しました。お二方のお心遣いに心よりの感謝を。」
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