第107話
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して認めた以上、私はリィン様達の為にこの力を存分に振るうから、ご両親殿は安心してリィン様達の帰還を待っているといい。」
シュバルツァー男爵の頼みに対してベアトリースは堂々とした様子で答えた。
「あと自己紹介していないのは………」
ベアトリースが答えた後セレーネは気まずそうな表情を浮かべてアルティナに視線を向けたその時、アルティナは前に出て自己紹介を始めた。
「……アルティナ・オライオンです。………………」
「アルティナさん……?」
名前を名乗った後辛そうな表情で黙り込んだアルティナが気になったステラは不思議そうな表情を浮かべてアルティナに声をかけた。
「去年の内戦の際、”北の猟兵”のユミル襲撃に乗じてエリス様とアルフィン様を攫った張本人です。」
「アルティナさん……」
アルティナの告白にその場にいる全員が驚いている中ミュゼは心配そうな表情で見守っていた。
「わたしは本来ならここに招かれるべき存在ではありませんし、本当なら今回の戦争が終わった後にリィンさん達をわたしの命に代えてでも守り切った上でわたしが生きていたら謝罪するつもりでした。ですがせっかくの機会なので――――――あの時は、本当に申し訳ありませんでした。」
「アルティナさん……」
「………………」
(アルティナ……そこまで気にしていたんだな。)
辛そうな表情で過去の自分の罪を語った後シュバルツァー男爵夫妻を見つめて頭を深く下げて謝罪するアルティナの様子をエリスは心配そうな表情で見守り、エリゼとリィンは静かな表情で見守っていた。
「顔を上げなさい。」
シュバルツァー男爵にそう言われたアルティナは顔を上げてシュバルツァー男爵を見つめた。
「二人に怪我を負わせたわけでもないし、君は命令に従ったまでのこと。その意味でも非を感じる必要はない。」
「それは……」
「だが私にも言いたい事がある。」
シュバルツァー男爵が自分に対して何を言うつもりであるかを察したアルティナは辛そうな表情を浮かべて顔を俯かせたが
「ありがとう、アルティナ君。」
「え?」
シュバルツァー男爵から感謝されるという予想外の答えに驚いた後再び顔を上げてシュバルツァー男爵を見つめた。
「内戦後、クロスベルでの迎撃戦で捕虜になってリィン達に引き取られてからは、それ以降その幼さで今まで戦場続きだったリィン達をサポートしてくれたそうじゃないか。リィンとエリゼ、エリスの父親として、どうか改めて礼を言わせて欲しい。」
「い、いえ……それは、リィンさん達に”使用人”として引き取られたわたしの役目ですから。」
「フフ、だとしてもだ。」
「それに、今のあなたは自分で選んでこ
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