第107話
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は辛そうな表情を浮かべて見守り
「どうか頭をお上げください、アルフィン殿下。私達の方こそ、ユミル襲撃後のリウイ陛下達への口添えを忘れたことで、このような事になってしまい、本当に申し訳ございませんでした……」
「しかも殿下はリウイ陛下達の要求に従い、既にアルノール皇家としての身分を返上し、祖国からの追放刑を受けたとの事………それらの件も含めて重ねてお詫び申し上げます……」
「わたくしの件に関しては、わたくし自身、自業自得だと思っておりますから、どうかお気になさらないでください。それにリィンさんとは”主と使用人兼愛人”という形になりましたが、わたくしにとって初恋の殿方の傍に一生いる事が許されているのですから、わたくし個人にとっては”幸せ”な状況ですわ。」
「アルフィン……」
アルフィンに続くようにそれぞれ謝罪したシュバルツァー男爵夫妻に対してフォローの言葉をかけた後微笑んだアルフィンの様子をリィンは静かな表情で見守っていた。
「そうですか………それでリィン。彼らはもしかして手紙に書いてあった……」
「はい、リウイ陛下達より任された遊撃軍――――――灰獅子隊の内、俺直々が率いる”リィン隊”に所属している者達の内、昔から親しい人物と今回の戦争の件で様々な事情によってメンフィル帝国の義勇兵として志願し、俺の部隊に配属されることになった人物達です。」
アルフィンの答えを聞いて安堵の表情を浮かべたシュバルツァー男爵はステラ達を見回してリィンに訊ね、訊ねられたリィンは答えた後エリゼ達と共に横に移動してステラ達とシュバルツァー男爵を対峙させた。
「―――お初にお目にかかります、シュバルツァー男爵閣下、ルシア夫人。私の名はステラ・ディアメル。メンフィル軍の訓練兵だった頃のリィンさんの相方を務めていました。」
「貴女がリィンの手紙にあったあの”ディアメル伯爵家”から出奔してメンフィル帝国に亡命したという………メンフィル軍の訓練兵として学んでいたリィンにとっては安心して背中を預ける事ができる相棒だったと聞いている。慣れない異世界での生活に加えて訓練兵だったとはいえ、軍人としての厳しい教育を日々学んでいたリィンを支えてくれたこと、感謝している。」
ステラが自己紹介をするとシュバルツァー男爵は目を丸くした後静かな笑みを浮かべてステラに感謝し
「いえ、私の方こそリィンさんには随分とお世話になり、支えてもらいましたからお互い様です。」
シュバルツァー男爵に感謝されたステラは謙遜した様子で答えた。
「どうも。リィンとステラの直接指導を担当していた”先輩”のフォルデ・ヴィントっす。俺に関しては、さぞ反面教師になるいい加減な先輩みたいな感じで聞いているんじゃないですかね?」
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