装者達のハロウィンパーティー2020
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ーッ!!」
「なっ、何を期待していたんだ!?」
「分かってるくせに!飛鳥さんは意地悪デス!!」
不満げな顔の切歌に、グーに握った両手でポカポカされる飛鳥。
流星と調はその光景を、離れた場所から静かに見ていた。
「切ちゃん、やっぱり飛鳥さんに悪戯されちゃってるね」
「うん。しかも兄さん、キス待ちしてたの気付いてたね。ヘタレて路線変更したけど」
「飛鳥さんらしい……。けど、わたしが渡しておいた皆にあげる分のお菓子をつまみ食いした切ちゃんも悪い」
「じゃあ、これでいいのかな」
調は黒いとんがり帽子にゴスロリ、流星は兄と同じくツギハギメイク。
魔女とフランケンなのは、一目で分かるだろう。
「ところで流星さん……その……この服、似合っていますか?」
調はゴスロリの裾をつまんでフリルを揺らす。
流星はそんな調の姿を、帽子の先から靴の先端までじっくりと眺めて口を開いた。
「調ちゃんは何着ても似合ってるよ。けど、今日みたいに君の髪と同じ黒い服は、とても似合っている。調ちゃんの可愛さが、よく引き立ってると思うよ」
「あ……ありがとう、ございます……」
予想以上のベタ褒めに、調の頬が朱に染まる。
恥ずかしそうに帽子のつばで顔を隠す調に、流星は手を差し伸べてお決まりの合言葉を口にした。
「調ちゃん、Trick so Treat」
「あっ、はい!どうぞ!」
慌ててお菓子の包みを渡す調。
しかし、羞恥に頬を染めていた彼女は気づいていなかった。
その言葉の接続詞が変わっていた事に……。
「ありがとう。じゃあ、悪戯しちゃうね」
「えっ……?」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする調に、流星はクスクスと笑う。
「Trick so Treat……“お菓子くれたら悪戯するね”って言ったのさ。聞こえてなかったのかい?」
「流星さん……それ、ズルいです……」
「しょうがないだろう?調ちゃん、悪戯したくなるくらい可愛いんだから」
「もう……」
舞い上がってる隙を突かれたせいか、少々不満げな態度になる調。
しかし、その目は満更でもなさそうに笑っていた。
期待と喜び、そして嬉しさと羞恥が混じり合う。
2人を取り巻く今の空気は……
「それで、どんな悪戯をするんですか?」
「調ちゃん、さっきまでお菓子食べてたよね?じゃあ、きっと今の調ちゃんの唇は──」
きっと、甘い。
ff
「マリア姉さん、トリックオアトリート!」
「はい、セレナ。私からも、トリックオアトリートよ」
「じゃあ……はい!このオバケさんは、姉さんにあげちゃいます!」
場面変わって、こちらは楽しげにお菓子を交換し合う姉妹の姿。
姉であるマリアの方は、少し上の方に反った黒い三角耳にフサフ
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