76 あと一歩のところで
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バズーカ、一人は弓矢を、さらに一人はパチンコを、そして最後の少女は拳銃を取り出した。フビライは三度モンゴル語の唱和で四人の魂を奪い取ろうとする。
「させぬ!」
背後からフビライは何者かに刺された。森の石松だった。石松がフビライの背中から刀で刺したのだった。
「お前、私が自分自身を脱魂して、他の者に憑依する事もできるのだヨ。そうすれば私本体への攻撃は無効になるヨ」
[憑依]
フビライはモンゴル語でそう答えた。
「は!」
石松はフビライに体を乗っ取られた事に気付いた。
「私は今、お前の身体に取り付いた。私がこの刀でお前を切り刻めばお前もどの世からも消失するヨ。私は平気だけどネ」
石松の体に憑依したフビライはもぬけの殻となった自身の体から刀を抜き、石松の首を自分で斬ろうとする。
「石松!!」
エレーヌは一踊りした。その時、石松は自分で自分の首を斬るような姿勢から解放された。フビライの憑依の能力が解かれたのだ。
「今、貴方の能力を途中で解除する踊りをさせていただきました。」
「こ、この・・・」
「なら、チャンスだ!」
一人の少年のバズーカが発砲された。フビライが吹き飛ばされる。
「う、この・・・」
「よし!」
フビライは再び自身の魂を抜いて、他の者に憑依しようとした。しかし、できない。
「生憎ですが、私のこの踊りは能力が1踊り10分は制限されます」
「なぬ・・・」
「よし!」
一人の少年が矢を放った。見事フビライに命中した。そしてバズーカがもう一度発砲され、パチンコも飛ばされた。
「う、うおおお・・・。私の夢が・・・。今度こそ叶うと思ったのに・・・!!」
フビライは光となって消えた。
「それじゃあ、私達も帰りましょうか」
かよ子の母は提案する。
「うん、そうね、響君はどうするの?ウチに泊まる?」
奈美子は響に確認をとる。
「いや、そのまま帰りますよ」
「そう、じゃ、気を付けてね」
響はさっさと帰ろうとする。
「なあ」
響はかよ子達に顔を向けた。
「あのバカがまたなんかやったらボコボコにしとくよ」
「あのお兄ちゃんはそんな事しないよ!」
かよ子は反論した。
「そうだ、お前、勘違いにも程があるぞ!」
杉山もかよ子の肩を持った。
「・・・」
響は何も言わずただ睨みつけて去った。
「帰ろうか、私達も」
たまえが呼び掛ける。
「うん・・・」
かよ子はこの杖が奪われなかったのは幸いだが、折角の文化祭がこんな荒らされた事に日本赤軍への怒りがさらに高まったのだった。
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