第三章
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「そうしていこう」
「ええ、けれどいつも通りね」
「悪いことばかり起こるっていうんだ」
「本当にね」
亜希は一文字に嫌そうな顔で言った。
「起こってほしくないのに」
「それでも起こるから」
「嫌になるんだ」
こう言うのだった。
「本当に」
「実際になってるわ」
亜希は項垂れた顔で述べた。
「これは」
「まあそれはね」
一文字は亜希を慰めて言った。
「気にしないことだよ」
「そうするしかないのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「デート続けよう」
「それじゃあね」
「うん、このままね」
「博物館ね」
「行こう」
こう亜希に言ってだった。
そうして二人でさらに進んでいった、その中で亜希は転んだりもしたが博物館に着いた。そうして中を見回っていると。
走ってきた子供にぶつかったり急にトイレに行きたくなったりした、それで亜希はすっかり項垂れた。
「博物館に入っても」
「不幸に遭ってるってだね」
「思うわ」
「だからね」
「気にしないことね」
「そうしていこう」
「それでデートを続けていくべきね」
「そうしていこう、ここの博物館の食堂だけれど」
一文字はネットで得た情報を話した。
「美味しいらしいよ」
「そうなの」
「メニューも多いし」
「だからなのね」
「お昼はね」
この時はというのだ。
「ここで食べよう」
「それじゃあね」
「もうすぐお昼だし」
それでというのだ。
「今からね」
「食堂に行って」
「食べよう」
こう話して気分転換も兼ねてだった。
二人で博物館の食堂に入った、そこで一文字はカレーライスを注文し亜希はハヤシライスを注文した。一文字からこの食堂はカレーとハヤシが一番評判がいいと聞いたからだ。
だが店員は彼女に申し訳ない顔で言った。
「すいません、ハヤシはもう」
「なくなったんですか」
「今日注文が多くて」
そのせいでというのだ。
「すいません」
「そうですか」
亜希はやっぱりと思いつつ店員に応えた。
そうしてだった、一文字を見つつ注文を変えた。その注文はというと。
「カレーライスを」
「カレーライス二つですね」
「お願いします」
ハヤシライスではなくそちらになった、そうしてだった。
二人でカレーライスを食べると実際にそのカレーは美味かった。それで食事はよしとなって午後もだった。
二人で博物館を巡ってだった、そして。
最後に出ようとした時にまた躓いた、それで尻餅をついてしまった。
帰りでもだった、駅で切符を買おうとすると。
百円玉を落とした、それで亜希は項垂れて言った。
「本当にね」
「不幸が続くっていうんだね」
「ええ」
がっくりして言うのだった。
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