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ドレッドノート
第二章

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「いいな」
「はい、それでもですね」
「数多くの戦艦があれば」
「その新型戦艦も恐れることはないですね」
「全く」
「別にロンドンからこのベルリンまで届く砲撃を行う訳でもあるまい」
 それは絶対に有り得ない、皇帝は彼が知っている技術から述べた。
「別に」
「それならですね」
「例え新型艦も恐れることはない」
「このまま建造を続け」
「さらに強力な海軍にしていきますね」
「イギリスだけではない、フランスやロシアも多くの戦艦を建造していてだ」
 そしてというのだ。
「アメリカもだな」
「あと日本もですね」
「とにかく戦艦を建造していっています」
「我々はそのどの国にも負けない」
「それだけの建造を続けていきますね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ドイツはな」
「世界の盟主になる」
「世界のどの国よりも強力な海軍を擁し」
「そうしてですね」
「戦艦もですね」
「多く建造して持っていくのだ」
 こう言ってだった。
 皇帝はイギリスの新型艦の話を聞いてもさらに建造を進めていっていった、それは他の国も同じでとにかくだった。
 各国は強力な戦艦を建造することに懸命になっていた、だが。
 イギリスのその新型戦艦を見て誰もが驚いた。
「な、何だあの戦艦は」
「何なのだ」
「あんな選管は見たことがないぞ」
「左右の副砲がないぞ」
「艦橋が異常に大きい」
「攻撃は全て中央の主砲で行うのか」
「連装の砲塔になっているそれで」
 その新型戦艦を見て言うのだった。
「これまでも主砲はあった」
「連装の砲塔も」
「だがそれをあそこまで多くするとは」
「そして艦橋での指揮に重点を置くか」
「それがあの戦艦か」
「ドレッドノートか」 
 その戦艦の名前も出された、このドレッドノートとその姿に能力のことは忽ちのうちに全世界に知れ渡った。
 それはドイツも同じでだ。
 皇帝はドレッドノートについて側近達に言った。
「あの戦艦は全てを変えた」
「全くです」
「あの様な艦を建造するなぞ」
「設計もです」
「有り得ません」
「恐ろしいものです」
「よくあの様な艦を考えました」
「恐ろしい艦だ、あの艦はだ」
 まさにというのだ。
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