第三章
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ゼウスはヘラと共に冥界に赴いた、すると。
入口にいたケルベロス、言われた通りの姿をした彼は三つの首で彼等に恭しく挨拶をして言ってきた。
「お待ちしていました」
「えっ、これはまた」
「礼儀正しいわね」
二人も驚いて言った。
「随分と」
「そうだな」
「お迎えの方がお待ちです」
二人に尻尾を振って話した。
「ですから」
「あれは」
ゼウスはその恐ろしいが聞きやすい声を聞いて入り口の向こう側を見た、見れはそこに金色の神と瞳そして銀色の髪と瞳の者がいた、眠りの神ヒュプノスと死の神タナトスだ。二柱の神々はゼウス達に言ってきた。
「ではこれよりです」
「ハーデス様の宮殿に案内させて頂きます」
「そしてです」
「宴を楽しんで下さい」
「わかった」
ゼウスはヒュプノス達の言葉に頷いてだった。
そうしてハーデスの宮殿に入り宴を楽しんだ、ここで。
ハーデスは酒を飲みつつゼウスに言ってきた。
「どうだった」
「ケルベロスのことか」
「うむ、愛想がいいな」
「尻尾を振っていたな」
ゼウスは飲みつつ応えた。
「あの蛇の尻尾をな」
「そうだったな、あれがだ」
「いいのか」
「そうなのだ」
ハーデスは牛肉を焼いたものを食べつつ応えた。
「実にな」
「そうなのか」
「いい子だ」
「いい子か」
「実にな、名犬とも言っていい」
ハーデスは陽気に飲みつつ話した。
「あの子はな」
「また随分と褒めるな」
「幾ら褒めても足りない」
ゼウスにその焼き肉を薦めつつ話す。
「実にな」
「そうなのか」
「冥界に入る者は喜んで迎え」
そしてというのだ。
「逃げようとする者はな」
「逃さないか」
「実にいい子だ」
「そうなのか」
「だからよく見てくれ」
そのケルベロスをというのだ。
「いいな」
「結論はそこか」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「いいな、あとヘカトンケイル達ともな」
「話した通りにだな」
「会ってくれ」
こうも言うのだった。
「いいな」
「うむ、そのことはな」
「お主もだな」
「是非共な」
こう言ってその五十の頭に百の腕を持つ彼等とも会った、ゼウスはタンタロスの番をしている彼等のところに自ら行ってだった。
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