第三章
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「幾ら投手陣がよくてもな」
「あの投手陣は無敵よ」
「一点に抑えても完封したら負けだぞ」
「阪神の打線が完封されるって」
「結構多いだろ」
実際にというのだ。
「伝統的にな」
「全く、わかってくれないわね」
「わかってるから言うんだよ」
他ならぬ阪神のことがというのだ。
「本当にな」
「やれやれね、けれど今年ね」
「阪神優勝するからか」
「結婚よ」
最後はこうした結論に至った、だが智昭は今年の結婚はないと諦めた。未可子が三十になるまで待とうと。そして。
阪神は智昭の予想通りペナントにおいて苦戦した、二位であったが。
首位は憎むべき球界の癌ひいては全人類共通の敵と言っていい邪悪の権化巨人であった。その巨人を見て。
智昭は未可子に共に昼食を食べている時に言った。
「優勝出来ると思うか?」
「思うわ」
未可子ははっきりと答えた。
「逆転するわよ」
「そうか?」
「そうよ、だから安心してね」
「今年結婚か」
「十月に胴上げ見てから」
それからだというのだ。
「入籍しましょう」
「区役所に出すか」
「そうしましょう」
二人が今住んでいる大阪市城東区のそちらにというのだ。
「いいわね」
「本気だよな」
「嘘でこんなこと言わないわよ」
未可子は焼きそば定食を食べつつお好み焼き定食を食べている彼に話した。
「私も」
「そうなんだな」
「そうよ、安心してね」
「まあこっちもな」
智昭は日本ハムの話もした。
「今三位でな」
「ソフトバンク強いわね」
「今年強いな」
そのソフトバンクはというのだ。
「ここ二年四位だったけれどな」
「杉内強奪されてね」
「ああ、やっぱり巨人は癌だな」
球界そして世界のというのだ。
「悪の限り尽くすな」
「それでエース強奪されて」
「この二年弱かったけれどな」
「それでもね」
「今年はね」
どうかというと。
「勝ってるな」
「そうよね」
「ああ、けれどな」
それでもというのだ。
「うちは三位だからな」
「クライマックスで勝たないとね」
「どうなるかな、まあソフトバンクが本命だな」
パリーグはというのだ。
「やっぱり」
「そうなのね」
「強さが違う」
チーム力、それがというのだ。
「オリックスなんて所詮な」
「今は強いっていうけれど」
「あそこはたまたまだよ」
智昭は嫌悪を込めて言った、実は球界再編のことからこのチームが巨人と同じだけ嫌いなチームになっているのだ。
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