始まりから夏休みまで
シリアスに突入する話。
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かった。
だが、彼女は一体何を警告しに来たのだろう。
何かに巻き込まれないため、と言っていたが…。
しかしそう考えているのと束の間、
視界は真っ白になり、身体も白い光に包まれていく。
しっかりと聞こえる彼女の声。
そうして僕は、夢から覚めた。
それから、
桐生が行方不明となった話は次第に学校の話題から薄れていった。
けどそれは時間の経過によるものじゃない。主な理由としては新たな噂があるからだ。
「ねぇねぇ聞いた?この街の連続殺人事件。」
「あー聞いた!マジヤバいよね!」
臨時で開かれた全校集会。
近くの女子がひそひそと話しているソレだ。
「えーみなさん。こんな時に集まってもらって申し訳ないね。」
校長先生の話が始まる。
集められた理由も、それだ。
この街で起きている謎の連続殺人事件。
被害者はホームレスやサラリーマン、土木作業員などの工事に携わる人達など職も年齢もバラバラ。
共通するのは深夜であることと、そして
「なんか食い散らかされたみたいだったんだって。」
「マジ?やっぱオオカミの仕業なんじゃない?」
被害のあった現場は非常に惨いものだったと聞く。
まるで何かに食い荒らされたような、
そして時折聞こえる、狼のような動物の遠吠え。
学生達の間ではオオカミが化けて出て人間達を襲っているという噂で持ちきりだ。
絶滅に追い込んだ人間に復讐してる説
まだ生き残っていたオオカミが狩りをしてる説など
あくまで仮説と噂に過ぎないが僕ら学生達はそれらを信じきっていた。
そしてこの臨時集会を通して校長先生がみんなに伝えたことは
夜間の外出を控えること。
アルバイトをしている者もしばらく夜の仕事は休むこと。
どうしても外出しなければならない時は近場で済ませるか、人通りの多い場所を歩くか1人では絶対に行かないこと、など注意を促すものだった。
警察達も必死の捜査をしているとのことだが、犯人は未だに証拠のひとつも残しておらず難航しているという。
僕も夕方から夜にかけて喫茶店のバイトをしているが、店長に話して暫くは控えた方が良さそうだ。
?
深夜。
最近の事件のこともあり、繁華街も人通りが少なく、街は静かだった。
そんな中、ひっそりとした駅周辺にて騒ぐ若者が何人か、
「やべー俺!酒飲んじゃった!!」
「マジやばくね?こいつロックで一気飲みだよ!?」
それは葛城舞が通う高校の同級生達。
さらに言えば、彼らは桐生の取り巻きであった。
いや、元・取り巻きと言った方がいいのかもしれない。
男女複数人、彼らは校長先生の注意など知るかと言わんばかりに夜の街を練り歩き、酔っぱらいの財布をスリ、さらには飲酒など非行のオンパレー
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