第百六十三話 近付く最後の決戦その十
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「それ以前に秦にも勝ち続けてや」
「劉邦にもやったな」
「垓下の戦いでは負けたが」
最後のそれにはだ、この戦いにしても項羽は敵である劉邦の軍勢に対して自分達の何倍もの損害を与えている。
「しかしや」
「最後のその戦までは勝ち続けたな」
「その項羽に何故劉邦が最後勝てたか」
「蕭何がおったからやな」
「蕭何が本拠地をしっかりと治めてな」
善政を敷き国を整えていたのだ。
「そして常に軍に人やものを送ってた」
「幾ら負けてもやな」
「項羽はとにかく強かった」
このことは中国の歴史でも際立っていた、その為覇王という呼称は項羽を讃えたものになっている程だった。
「それでや」
「劉邦は負け続けたな」
「そうや、そやけどな」
「何で劉邦が戦い続けることが出来たか」
「そして最後は勝ったのはな」
それは何故かというと。
「蕭何がおったからや」
「戦場の後ろの本拠地をしっかり治めてな」
「何かあるとすぐに人やものを送ってたからや」
「政をしっかりしてた」
「そやから劉邦は勝てた」
「蕭何がおってやな」
「軍師に張良と陳平がおってな」
芥川は他の人材の話もした。
「将軍には韓信、黥布、訪越っておった」
「他にも人材がおったな」
「そやったが」
「特にか」
「この蕭何がおったからや」
「劉邦は勝つことが出来た」
「そうや、功績は第一やった」
このことは劉邦自身が定めたことだ。
「ほんまに蕭何おってこそや」
「劉邦は項羽に勝てたな」
「張良の策は確かに凄かった」
中国の歴史に残る名軍師だけあってだ、ただその外見は女性の様でありとても軍師には見えなかったという。
「そして韓信もな」
「凄かったな」
「まさに国士無双やった」
これこそが韓信への賛辞の言葉だった。
「天下の名将やった」
「その軍師や将軍がおってもやな」
「項羽はあまりにも強かった」
「それでやな」
「こうした面子に加えてな」
「蕭何がおらなやな」
「勝てんかった」
そうだったというのだ。
「とてもな」
「それだけ蕭何の存在が大きかったんやな」
「そういうことや、まあそれだけに天下統一の後劉邦にめっちゃ疑われたけどな」
皇帝になってからの劉邦はそれまでの豪放磊落さはなくなり猜疑心の塊になったという、その猜疑心により韓信、黥布、訪越は粛清されている。その為ある偉大な漫画家は劉邦の天下統一までは描いたが最後の巻の後書きで皇帝になった後の劉邦は描きたくないと言い実際に他の作品で皇帝になってからの彼を苦々しく描いている。
「それで苦労してたし」
「それは難儀でもやな」
「どれだけ功績が大きかったか」
「それの裏返しでもあるな」
「そや、ほんまに劉邦を勝たせたんはな」
「蕭何やな」
「そ
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