暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と牛女
第七幕その十一

[8]前話 [2]次話
「ドイツ留学で最新医学を学んだと自負していてね」
「権威主義だったんだね」
「それも頑固だったのね」
「そうだったんだね」
「そうした人でね」 
 それでというのです。
「お医者さんとしてはね」
「よくなかったんだね」
「本来はそちらなのに」
「そうだったんだね」
「うん、調べていて暗くなったよ」
 お医者さんとしての森鴎外のことをです。
「小説家だからそちらから調べるね」
「文学からだね」
「沢山の名作を残しているから」
「それでだね」
「凄い人だと思ったら」
 それがというのです。
「その実はね」
「どうにもよくない人だね」
「権威主義で名誉欲と出世欲が強くて」
「それで頑固で」
「女性問題も起こしたって説もあるしね」
 こちらのこともあったというのです。
「舞姫は実はって、話もあるし」
「そうなんだ」
「あの人の代表作の一つだけれど」
「あの人がモデルだったんだ」
「そうした話もあるしね。人として医師としてのあの人は好きになれないよ」
 森鴎外ではなく森林太郎としてはというのです。
「どうもね。ニュートンも酷かったけれどね」
「ああ、あの人もね」
「嫌いな相手の功績を抹消したりね」
「酷かったよね」
「功績と人間性は別でね」
 そうしてというのです。
「そして人間は誰もがいい部分と悪い部分があるからね」
「森鴎外はその悪い部分が出て」
「脚気で間違ったことをした」
「そうなのね」
「だから最近批判されているよ」
 そうなっているというのです。
「勿論脚気のことでね」
「それは真実はわかるとね」
「やっぱり批判されるよね」
「当然としてね」
「そうなるね」
「うん、それは当然のことだから」
 先生はこのことを肯定しました。
「批判されるべきことは批判される」
「それは当然だね」
「むしろ批判されないとね」
「その方が問題だね」
「だからね」
 それでというのです。
「それは当然だよ」
「森鴎外にしてもだね」
「そしてニュートンも批判されているけれど」
「それは当然のことね」
「批判されていることは」
「そうだよ、しかし脚気はね」
 この病気のことをあらためてお話しました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ