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ドリトル先生と牛女
第七幕その八

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「好きよ」
「あれもいいね」
「お野菜とお酢の組み合わせはいいわ」
「サラダもだしね」
「そうよね」
「ドレッシングのね」 
 その中に入っているお酢がというのです。
「いいね」
「本当にそうね」
「そんなお話をしてると」
「ザワークラフトを食べたくなったかな」
「サラダもね」
 こちらもというのです。
「そうなったわ」
「お静さんはお野菜も好きなんだね」
「猫又の食べものは人と変わらないから」
 それでというのです。
「お野菜も食べるわ」
「そうなんだね」
「けれど一番の好物はお魚よ」
 何といってもというのです。
「お刺身よ」
「それが好きなんだね」
「ええ、お刺身を食べられるなら」
 それならというのです。
「最高に幸せよ」
「そこまでなんだね」
「本当にね、けれどサラダとかも好きだから」
「食べるんだね」
「ええ、今夜はサラダがいいわね」
「じゃあ食べてね」
「勿論お魚もね」
 笑顔で言うお静さんでした、そのお話の後でお静さんは研究室を後にしました。そしてまた論文を書きはじめた先生にです。
 動物の皆は先生にこう言いました。
「日本人は壊血病のことあまり知らないね」
「名前を知ってる位で」
「実際にはどんな病気か」
「実感として知らないね」
「それがわかるよ」
「日本で問題になっていた病気は脚気でね」
 この病気でというのです。
「壊血病じゃないよ」
「どっちもビタミン不足でなるけれど」
「それでもなのね」
「壊血病はあまり知らない」
「そうなんだね」
「実際の経験としてはね」 
 歴史にあったそれではというのです。
「そうだよ」
「大航海時代はなかったし」
「冬でもお漬けものとか蜜柑食べてたし」
「それでだね」
「壊血病は知らなかったのね」
「うん、その病気はね」
 実際にというのです。
「それよりもね」
「脚気なのね」
「日本の場合は」
「あの病気なんだ」
「壊血病はビタミンC不足でなって」
 そうしてというのです。
「脚気はビタミンB1不足でなるよ」
「同じビタミンでもね」
「種類が違うね」
「それでなる病気も違う」
「そういうことだね」
「そうだよ、あと昔は結構鳥目の人が多かったのは」
 夜あまり見えない人のこともお話します。
「ビタミンA不足だったからだよ」
「そこでもビタミンだね」
「目のことも」
「そうなのね」
「うん、それで日本ではヤツメウナギの干物がお薬だったんだ」
 鳥目のそれだったというのです。
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