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ドリトル先生と牛女
第七幕その七
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「お汁をラム酒に入れて飲んでいたんだ」
「それをビタミン補給にしていたのね」
「歯に悪くてもね」
「壊血病になるよりましただったのね」
「若しなったら」
 壊血病、それにです。
「命に関わるからね」
「大変な病気だったのね」
「本当に大航海時代から命を落とした人は多いよ」
 欧州ではというのです。
「深刻な問題だったんだ」
「だからイギリス海軍でも飲んでいたのね」
「そうなんだ、クック船長が最初にそうしたんだ」
「冒険家の」
「そう、ザワークラフトを船に沢山積んで」 
 そうしてというのです。
「果物も積み込んでね」
「そうして航海をしてなの」
「壊血病を防いでいたんだ」
「そうだったのね」
「クック船長はそうした意味でも名船長だったんだ」
 先生は笑顔でこうも言いました。
「ただ船や艦隊を動かすことに長けていただけじゃなくて」
「そうしたことも考えられて」
「防げたからね」
「凄い人だったのね」
「本当の意味でね」
「とにかくかつては壊血病が問題で」
「それでね」
 その為にというのです。
「ライムのお汁を飲んでいたんだ」
「歯に悪くても」
「そうだったんだ」
 実際にというのです。
「壊血病が怖かったからね」
「本当に怖かったのね」
「実際にね、ただね」
「ただ?」
「牛女さんはライムジュースの味が好きでね」
「それで飲んでいたのね」
「お水みたいに飲んでいたみたいだから」
 そこまで飲んでいたというのです。
「幾ら歯磨きをしてね」
「虫歯になったのね」
「うん、幾ら身体によくて美味しくても」
 それでもというのです。
「過ぎるとね」
「よくないわね」
「何でもそうでね」
 それでというのです。
「ライムジュースもだよ」
「そういうことね」
「だから普段こそがね」
「大事なのね」
「そうなんだ」
「よくわかったわ、ただね」
 ここでお静さんはこうも言いました。
「先生今ザワークラフトお話に出したわね」
「ああ、それだね」
「あれはキャベツの千切りを酢漬けにしたわね」
「それで発酵させたものだよ」
「あれもビタミンがあるのね」
「要するにお漬けものでね」
「そうなのね、だからなのね」
 お静さんも納得しました。
「ビタミン補給にいいのね」
「美味しいしね」
「そうなのね」
「ドイツでもよく食べるよ」
「実際ドイツ語だしね」
「僕も好きだしね」
「ソーセージにも合うしね」
 お静さんはこうも言いました。
「だからよね」
「いい食べものだよ」
「そうよね、私最近になって食べたけれど」
 それでもというのです。
「戦後からね」
「第二次世界大戦の後だね」
「それから食べはじめたけれど」
「美味しいね」

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