第二章
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「駄目なんですね」
「出来る限りね、もうそれは前以て言っておくから」
「わかりました」
「そういうことでね、あとあんたのお昼って」
陽子は楓が食べている弁当を見た、爪を奇麗に切ったその手で食べるそれを見てそれで言うのだった。
「自分で作ったの」
「昨日の夜の残りを入れまして」
「鳥のササミにプチトマトに麦ご飯？」
「はい、そうです」
「あとデザートは苺で飲みものはお茶ね」
他には梅干しもあった。
「随分健康的ね」
「そうでしょうか」
「私なんてこれだから」
コンビニで買ったものだというのだ。
「カップラーメンも多いし」
「私ラーメン好きですよ」
楓はすぐに言ってきた。
「スーパーの生麺を買って上にお葱やもやしをどっさり乗せて」
「お野菜と一緒になの」
「そうして食べるのが」
「ヘルシーね」
「そうでしょうか」
「そう思ったわ。まあ健康には気をつけないとね」
陽子はこの時はそう言っただけだった、だが。
後日楓と一緒に飲みに行った時に楓が白ワインを飲みながらせせりのぽん酢和えや枝豆、サラダを食べているのを見て言った。
「あっさりしてるわね」
「こういうのがです」
「好きなの」
「ですから」
それでというのだ。
「飲む時はです」
「枝豆とかでなのね」
「飲んでいます」
「それでお酒は白ワインね」
「美味しいですから」
「ワインって身体にもいいしね」
陽子はビールをごくごくと飲みながら応えた、彼女の肴は鶏の唐揚げだ。
「いいわね」
「ワインいいですよね」
「ええ、まあね」
ここでまた言う陽子だった。
「健康に気をつけることはいいことよ」
「そうですよね」
「そこはあんたのいいところね」
「有り難うございます」
「じゃあ今日はね」
陽子はあっさりした調子でさらに話した、二人で向かい合って飲みつつ。
「飲みましょう」
「ですね、お仕事も一段落つきましたし」
「それじゃあね」
「ゆっくり飲みましょう」
そうした話をしてだった。
この日は二人でしこたま飲んだ、それから数日後。
陽子はスマホでツイッターをしていた、その中でフォロワーの一人のいいねをチェックしているとそこでだった。
いいねの中に数日前自分と楓が飲んだ居酒屋の中で飲んだことが書かれていてだった。
会社の先輩と飲んで白ワインや枝豆が美味しかったとあった、それでだった。
陽子はこれはと思ってその呟きをチェックした、すると明らかにそのユーザーは楓であった。食事の内容が全て彼女が食べたものであった。
飲んだものもであった、しかも。
そのユーザーは毎朝起きてランニングをしてシャワーを浴びてだった。日々食事にも飲みものにも気をつけていた。
しかも自分の画像、目は隠して
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