☆なぐさめる話。
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「へぇ…本人自らお出迎えか…。」
桐生が立ち上がり、お栄ちゃんのところへとゆっくり歩いていく。
「キミも変わり者だねぇ。あんなキモヤシくんのどこがいいのさ?」
「…。」
「やめといた方がいいよ?なんなら今日から僕の彼女になろうよ。後悔はさせな」
「うるせぇ」
大筆が、桐生の無防備な顔を思い切り引っぱたいた。
「って…おいなんだよそれ」
「きもやしって何だ?誰のことだ?まさかマイのこと言ってんじゃねぇだろうナ?」
後ずさる桐生。
どんどん近付いてくるお栄ちゃん。
ドスの効いた声で、脅しをかけるように彼女は桐生に詰め寄った。
「あ、当たり前だろ!それに僕はあだ名をつけて親しみやすくしようと…ほら!現に今こうして仲良く遊」
「あれのどこが…仲良しなんだ?」
ボロボロになってうずくまる僕を筆で指す。
静まり返った空気。
僕を寄ってたかって虐めてた取り巻き達はお栄ちゃんにビビり、次第に僕から離れていった。
「ごほぉ!?」
お栄ちゃんは何も言わず、大筆の柄で桐生の鳩尾を一突き。
膝を着いた桐生。しかしまだ追い打ちをかける。
「な、やめ…ぎゃぶ!!」
顎を蹴飛ばし、桐生は仰向けに倒れ込んだ。
「ナァ…おれのマイに何してんだ?」
「ふ…ふざけんな…!!キモヤシいじめて何が悪い…!!あいつは虐められるためにここにいるようなもんなんだぞ!」
「ほざいてろ。」
倒れた桐生に馬乗りになったかと思えば、今度は大筆を逆さに持って柄で桐生の顔を突く。
突く、突く、突く。
「がっ…あ"っ!?や、やめ…やべでぇ"…っ!!」
「…。」
いくら助けを求めようが、許しを乞おうが、お栄ちゃんはやめない。
「倍返しサ。調子に乗ってるお山の大将にゃ、マイより酷い目にあわせてやるヨ。」
「…ひぃい!!」
取り巻きの1人が情けない悲鳴をあげ、腰を抜かしつつもその場から逃げ去った。
あの人は…確か虐めることを戸惑っていた人だ。
さらにそれを皮切りに、
「に、逃げろぉ!!」
桐生が勝てなきゃこいつには勝てない。
次にやられるのはきっと自分たちだ。
取り巻き達は皆そう恐れ、蜘蛛の子を散らすように逃げていった
「ごっ…!?ば…ばでおばえら…た…だす…げっ!」
顔面を重点的にやられながら桐生は手を伸ばし、逃げゆく彼らに助けを求める。
だが、1人として彼を助けようとするものはいなかった。
「ちっ…逃げやがったか。まぁいいか。顔は全員覚えたし、後で一人一人やってくとしよう。」
舌打ちし、お栄ちゃんは今は目の前のことを始末しようと彼を見下ろす。
思い切り振り上げられた大筆。
きっと今までよりも全力で、ありったけの力を込めて、
それこそ桐生
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