始まりから夏休みまで
逆鱗に触れる話
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ん、いいよ。なんでも使ってね。」
「ははっ、マイとせっくすもいいがちょうど絵が描きたくてうずうずしてた頃サ!」
と、色んなペンを持って物珍しそうに見たり
「こいつは…!?」
「液晶タブレット。これだけで色んな絵が描けるんだ。」
「なるほど!"でじたる"ってやつだナ!いやぁ時代の進歩ってのはすげぇ!まさか板切れ一枚で絵が描ける日が来るなんてナァ!」
今度教えてあげるね、と言うとお栄ちゃんはとても嬉しそうだった。
しかしやはりというか昔からそうしてきたというか、お栄ちゃんはひとまずアナログで描いてみる事にしたのだった。
「しっかしこれだけ絵描きの道具があるとは驚きサ。マイ、お前さんどうしてこんなに買い揃え…」
振り向くお栄ちゃん。
けど僕はもういない。
隙を見て家からそそくさと出ていき、遅くなってしまったため小走りで学校へと向かったから。
「…。」
手に取った鉛筆を見、窓を見る。
「こいつァ…何かあるナ…。」
使われた形跡のない新品の鉛筆を見て、お栄ちゃんはただそう呟いた。
?
それから、
ギリギリ間に合った僕は急いで教室へと向かい、無事朝のホームルームまでには着席できた。
そしてその後、授業開始前のちょっとした合間、
「よう葛城!お前FGOのデータきえたんだってなぁ!」
ドンと背中を叩き、不謹慎な事を言いながら陽気に挨拶してきたのは僕の数少ない友達の一人、タクヤくんだ。
一度手に入れたサーヴァントは宝具レベル5にしないと気が済まない。いわゆる廃課金ユーザーだ。
でもカーミラさんが1番好きなんだって。
「タクヤくん…あまりそういう事は言わない方が…。」
続いてやって来たのが友達その2。平野くん。
彼もFGOユーザーで茨木童子が大好きな人。
顔は整っていていわゆるイケメンの部類に入るものの、三次元には興味が無くこうして日々茨木童子を愛でている。
「おはよ。タクヤくん。平野くん。」
「お前…妙に清々しいな。」
「まさかデータが消えておかしくなりました?」
確かにデータが消えたのは悲しい。
でも、それよりも嬉しいことがあったんだから元気にはなっちゃうさ。
「ううん…なんでもないよ。」
「笑うなよなんかこえーよ。」
「金曜日休みましたし…余程ショックだと思ったのですがそうでもない…のですかね?」
多分顔が無意識のうちに笑ってるんだろう。
そんな僕を不思議そうに覗く2人。
「にしてももうすぐ夏イベだな!」
「だね。今年は誰が来るかな?」
と、タクヤくんが話題を変えてくる。
月日は今6月が始まったばかり。
これから7月と来て8月には待望の夏イベが待っているんだ。
「お栄ちゃん、来るかな?」
「いや
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