第六章
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「そんなことでね」
「結婚とは関係ないでしょ」
「そうかしら」
「そうよ、あと旦那さんも同業者でね」
「雅子以上に売れてるのよね」
「週刊の少年雑誌で描いていてね、その旦那さんには居場所連絡するって言ってるわ」
単行本作業の時のそれをというのだ。
「あの娘そう言ってるわよ」
「えっ、旦那さんには言うの」
「旦那さんだけにはね」
「どうして私には言わないのよ」
「旦那さんは家族でしょ、私だって旦那にか言わないこと多いわよ」
優子は母につまみのピーナッツを齧りながら話した。
「お母さんだってお父さんにしか言わないことあるでしょ」
「それはそうだけれど」
「それが夫婦でしょ、というかね」
優子は母に今度はどうかという顔になって言った。
「お母さんいい加減子離れしたら?」
「子離れって」
「私もアラフォーだし雅子ももうすぐ三十じゃない」
「それに結婚するからっていうの」
「それでちょっと連絡つかないから騒ぐなんて」
それこそというのだ。
「どうかって思うわよ、私も連絡しないとすぐに言い出すし」
「だって二人共娘だから」
「娘は娘でも二人共大人なんだから」
パンの耳を齧りつつ牛乳を飲む母に告げた。
「だからね」
「そんなことを言わないでっていうの」
「そうよ、いい加減にしてよね」
「いい加減にって」
「子離れも母親には必要でしょ」
「そうなの」
「そうよ、まあ私も娘心配だけれどね」
優子はふと自分のことも思って言った。
「けれどお母さんはね」
「子離れしないと駄目なの」
「還暦過ぎて娘が娘がもないでしょ」
「二人共大事なのに」
「大事でもよ、まあ私もこれから気をつけるし」
家庭のことはというのだ。
「お母さんもね、あと雅子もね」
「あの娘も子供が生まれたら」
「そう、大人になったら結婚してお母さんになるんだし」
自分の様にというのだ。
「そこはちゃんとしないとね」
「そうなのね」
「そうよ、あとお母さん本当にパンの耳好きよね」
「美味しいし凄く安いし栄養があるからよ」
母はこのことは言った。
「牛乳と一緒に食べると最高だからよ」
「そうなのね、私も雅子も今じゃビール派だけれど」
「飲み過ぎない様にね」
「わかってるわよ、そうしたことも子離れしないのね」
「健康のことは幾つになっても心配していいでしょ」
「そうなるかしら」
「そうよ、二人共飲み過ぎには注意しなさいよ」
こう言ってだった、母はビールを飲む娘に健康のことを話した。このことは優子も聞くしかなかった。そして雅子と二人で飲んだ時もこの話をしてやれやれとなった。
雅子は結婚すると二年後娘を産んだが育て方は優子と同じ様なものだった、それで二人で娘が二十になったら過保護にならない様な
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