第百十話 兄と弟その三
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早速彼等に鉄砲を造らせた、それと共に。
家中の武家の次男や三男の中でも命知らずの者を集め彼等に問うた。
「お主達死ぬのは怖くないな」
「はい」
「命なぞ惜しくはありませぬ」
「それよりも槍働きです」
「それで身を立てまする」
「それならじゃ」
政宗は命知らずの者達の返事に笑って話した。
「わしの言う通りに戦え」
「若君の言われる通りですか」
「そうして戦えばですか」
「功を挙げられますか」
「うむ、わしはお主達を使い勝つ」
戦にというのだ。
「そうなってもらう、だから今から鍛錬をな」
「していく」
「これより」
「我等は」
「よいな、死んでも恨むでないぞ」
彼等にこうもいった。
「決してな」
「元より命は捨てています」
「その様なものは」
「死んでどうして恨みましょうか」
「命を捨てていて」
「ならばじゃ」
それならと言ってだ、そしてだった。
政宗は彼等に独自の鍛錬もさせた、そうして地図も見てだった。
戦を考えていた、そこで片倉と成実に話した。
「まずは会津か」
「芦名家ですか」
「あの家をですか」
「攻めてな」
そうしてというのだ。
「そしてな」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「あの家を降して」
「会津をですか」
「それからな」
会津を手に入れてというのだ。
「周りの家もな」
「では最上家も」
「大崎家もですか」
「そうした家もですか」
「降していきますか」
「縁組をしていても刀を向けるならな」
それならというのだ。
「その時はな」
「戦う」
「そうされますか」
「当家と縁戚でも」
「それでも」
「わしは決めた」
まさにというのだ。
「奥羽を手中に収める、その為にはな」
「例え縁戚を結んでいても」
「それでも戦う」
「そして降す」
「そうしますか」
「そうする、会津を手に入れ周りも降し」
そしてというのだ。
「奥羽をな」
「手中にし」
「関東にも」
「やがてはですか」
「入りますか」
「そして織田殿と戦う時も」
今や天下の三分の一程を領地にしている彼ともというのだ。
「あの者達を使いな」
「戦いですか」
「そして勝ち」
「そのうえで、ですか」
「天下を握る」
その様にするというのだ。
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