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ドリトル先生と牛女
第六幕その六

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「今宵は牛だ」
「そちらの焼肉もいいね」
「うむ、愉しみだ」
「皆で食べよう」
 その焼き肉をとです、ぬり壁も言います。
「お酒も飲んで」
「やはりお酒は欠かせないな」
「どうしても」
 まさにというのです、そしてです。
 子泣き爺は先生にこんなことをお話しました。
「実はわし等は宴が好きで」
「それでだね」
「毎晩のう」
「飲んで食べてだね」
「楽しんでおるのじゃ」
 そうしているというのです。
「毎日」
「では夜は」
「わし等の時間であるし」
 このこともあってというのです。
「心からのう」
「楽しんでいて」
「毎日な」
 それこそというのです。
「皆で」
「仲良くだね」
「やっておるよ」
「それでだけれど」
 ここで先生は妖怪達に尋ねました。
「皆朝に寝ているのかな、やっぱり」
「如何にも」
「朝は寝床じゃ」
「そこでぐーぐーぐー」
「そうしとるよ」
「歌であったけれど」
 先生は日本の妖怪アニメを思い出しつつ言います。
「実際になんだね」
「大体午前中は寝て」
「昼飯を食べてから動くな」
「それで夕方から夜に遊んで」
「夜明け頃に寝ておるな」
「夜は墓場で運動会というけれど」
 アニメのお話をさらにしました。
「そうなんだね」
「あの歌の通りだよ」
「あの漫画家さんの作品通りで」
「あの漫画家さんも今はわし等の仲間だし」
「妖怪博士になっておるよ」
「妖怪博士だね」
 その名前を聞いてです、先生はこう言いました。
「江戸川乱歩の小説でもあったね」
「二十面相じゃな」
「あの人の作品だったのう」
「二十面相は色々あったが」
「その作品の一つだな」
「それを思い出したけれど」 
 先生はさらに言いました。
「あの人は本当にそうなったんだね」
「あれだけ妖怪に親しんだ人はいなかったからね」 
 ぬり壁が言ってきました。
「だからだよ」
「お亡くなりになって」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「妖怪になったんだ」
「大好きなそれにだね」
「そう、外見はそのままで」
「妖怪のことなら何でも知っている」
「そうした人になったんだよ」
「そうなんだね」
「今はわし等と楽しく過ごしているよ」
 そうしているというのです。
「本当にね」
「それは何よりだよ」 
 先生もお話を聞いて笑顔になりました。
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