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ドリトル先生と牛女
第六幕その四

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 妖怪達はノックをして先生にどうぞと言われて研究室に入るとこう言ってきました。
「ドリトル先生ね」
「お話は聞いてるわ」
「会うのははじめてかな」
「八条学園にいる妖怪だけれど」
「僕達のことは知ってるかな」
「うん、この学園の妖怪は有名だしね」
 それでというのです。
「君達のことは聞いているよ」
「それは何より」
「わし等のことを知っているとは」
「まあわし等はこの学園の住人だしな」
「悪魔博士と一緒にずっと暮らしているし」
「それも仲良く」
「ああ、あの大学の伝説の教授の」
 先生は悪魔博士と聞いて言いました。
「何でも百五十歳は過ぎてるという」
「いや、百五十歳って」
「それもう人間じゃないわよ」
「あの人のことは僕達も聞いてるけれど」
「本当のこと?」
「百五十歳って」
「江戸時代から生きてるって噂があるよ」 
 先生は周りにいる動物の皆に答えました。
「何でもね」
「江戸時代って」
「凄いね」
「仙人みたいね」
「そういえば仙術とか錬金術やってるって噂あるね」
「それで長生きになってるの?」
「そうかしら」
 動物の皆はお話を聞いて言いました。
「あの人は」
「それで妖怪さん達ともお付き合いあるの」
「噂では秘書の人がそうだとか」
「そんなお話もあるね」
「ああ、ろく子ちゃんね」 
 着物姿のろくろ首が言ってきました、細長い首が何メートルも伸びていてその先のお顔がにこにことしています。
「あの娘は実際によ」
「妖怪だったんだ」
「あの秘書さん」
「そうだったのね」
「私の親戚でね」
 それでというのです。
「ろくろ首よ」
「そうなんだ」
「その実は」
「そうだったのね」
「ええ、それでね」
 そのうえでというのです。
「学園の中でよく一緒に飲んでるわ」
「そうだったんだ」
「あの人はろくろ首で」
「貴女と親戚同士なのね」
「そうなのね」
「そうよ、それで今日ここに来たのはね」
 ろくろ首は自分から言いました。
「先生に歯を見て欲しくてね」
「それでだね」
「お邪魔したの」
 こう言うのでした。
「私達はね」
「牛女さんのお話を聞いてだね」
「私達も歯が気になって」
 それでというのです。
「お邪魔したのよ」
「そうだったんだね」
「それでだけれど」
 ろくろ首はあらためて言いました。
「先生に診て欲しいの」
「診察代はこちらで」
 砂かけ婆はお金をぽんと出してきました、見れば札束です。
「百万でどうですじゃ」
「診察代としては多いから」
 先生は砂かけ婆にこう返しました。
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