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ドリトル先生と牛女
第六幕その三

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「そこまでいわれるなら」
「はい、それでは」
「宜しくお願いします」
「ではこれを」
 牛女さんは先生ににこりと笑ってあるものを出しました、そしてです。
 先生は皆と一緒にお家でお話しました。
「いや、美味しいね」
「そうだね」
「このお饅頭美味しいよ」
「羊羹も素敵だわ」
「お団子もね」
 皆も言います、見れば皆牛女さんから貰った和菓子を食べています。色々なお菓子が一杯あります。
 そしてです、皆で笑顔で食べながらお話しています。そこで先生はまた言いました。
「こんな美味しいものを貰えるなんてね」
「やっぱり恐縮?」
「先生としては」
「そうなの?」
「どうもね」
 実際にというのです。
「これまたね」
「まあ謙虚で無欲なのはいいけれど」
 老馬が先生に言いました。
「あちらさんもどうしてもって言ってるし」
「いいと思うよ」
「そうよね」
 チープサイドの家族も言います。
「お菓子ならね」
「これ位だと」
「お金は恐縮でも」
 今言ったのはダブダブです。
「あちらもお礼をしない訳にはいかないわよ」
「これは礼儀だったね」
 チーチーも言います。
「日本の」
「お礼を贈るのはね」
 ジップはチーチーに続きました。
「他の国でもあるけれど日本は特にそれがあるね」
「まあこれ位はいいんじゃないかしら」
 ポリネシアは寛容な感じです。
「お礼の贈りものなら」
「日本にはお中元とかもあるしね」
 ガブガブはこちらのお話をしました。
「それじゃあね」
「いいと思うよ」 
 トートーもこう言いました。
「こうしたものなら」
「あちらもお礼をしない訳にいかないし」
 ホワイティは先生に強く言いました。
「そこは応じないとね」
「若し応じなかったら」
「先生の方が失礼になるよ」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「イギリスと同じで日本も礼儀には厳しいし」
「先生は紳士だし守らないとね」
「受け取ってよかったのかな」
 先生は言いました。
「つまりは」
「そうそう」
「お金は受け取ったけれどね」
「それでもういいとしても」
「お礼には応じないと」
「相手にも悪いし失礼だしね」
「そういうことだね、じゃあ素直に」
 先生は皆にあらためて言いました。
「食べてね」
「うん、そしてね」
「楽しんでね」
「美味しかったってお礼言おうね」
「またお会いした時にね」
「それがいいね」
 先生は羊羹を食べて言いました、そしてです。
 この日はお菓子を楽しんで次の日は大学の研究室に入って論文を書きました、そこに何とろくろ首にです。
 子泣き爺や砂かけ婆、一反木綿にぬり壁、から傘、河童にキジムナーに鬼と色々な妖怪達がやってきました。
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